事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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F1と中国GP主催者との間ではこう着状態が続いているが、これから4カ月のうちに上海が大規模な国際イベントを開催できないことは明らかだ。ゼロコロナ政策を取り下げたくない中国だが、高齢者のほとんどがワクチンを接種しておらず、国内で製造されたワクチンの効果も非常に低いことが判明していることから、稀に見る民衆の抗議活動が広がっている。
政府は、街に滞在している外国人ジャーナリストがこのことを報道することを望まないだろう。しかしながらF1は、グランプリを中止する国はどこも開催権料を支払わなければならないと明確にしているため、中国GPプロモーターのJuss Event社はレースの中止を拒否しており、開催権料の支払いを免れるために中止の責任をF1に負わせている。
この遅れは、ポルティマオが2023年4月16日にポルトガルGPをカレンダーに戻すための資金を調達するにあたって助けになっている。この数週間、政府は議会で年間予算の承認を得るのに多忙だったが、現在ではこの4年で3回目となるグランプリ開催を可能にする契約への道筋が明確になった。
■ウイリアムドドライバーが別チームでテスト

2023年にウイリアムズで初のF1シーズンを戦うローガン・サージェントの準備は、非常に珍しいルートで行われることになる。1993年から1994年の冬にミケーレ・アルボレートが、自身最後となるF1シーズンに向けてミナルディとすでに契約をしていた一方で、ベネトンでテストをしたとき以来、同様のケースはない。
ウイリアムズが人材不足でテストチームを編成できないうえに、メルセデスのパワーユニット数基を使用するための費用も賄えないことから、サージェントが1月中旬からアルピーヌのA521でテストを行う契約が結ばれたのだ。アルピーヌには専任のテストチームがおり、オスカー・ピアストリの育成プログラムが今年8月初めに中止されたことから、未使用のマシンも数台準備されているのだ。
アルピーヌF1代表のオットマー・サフナウアーは次のように述べている。「ウイリアムズは、オスカーを1年受け入れる計画があった時に協力的だった。ローガンがF1マシンで走ることは大きな助けになるだろう。今では2年前のマシンということになるが、それでも比較的近いものだ。将来、お互いが必要になる時に備えて協力するのは良いことだ。彼らを助けることができるうえに、多少の支払いを受けることができるのなら、やらない手はないだろう?」
■各サーキット、さらなる観客増を目指す

2022年のグランプリはほぼすべてソールドアウトとなったことから、レースプロモーターらは、それぞれのサーキットの収容人数を増やす余地があることを理解している。追加した座席が埋まる見込みがあり、そうなればさらに現金が流れ込んでくるのだ。4日間のイベントで42万人という記録的な観客を集めたメルボルンは、来年の一般入場券の数を増やす予定だが、より快適な体験ができるように取り組みを行っている。
コースの周囲には人口の丘が設置されて、観客により良い眺めを提供する。モントリオール、ザントフォールト、モンツァ、スパ・フランコルシャンのような他のサーキットでは、グランドスタンドの数を増やしており、さらに数千人の観客を受け入れることを期待している。しかしF1は、交通計画を観客数の増加に適合させるように彼らに警告している。2022年シーズンは、ほとんどのサーキットにおいて入退場が悪夢のようだったのだ。