実際、同じく簡単に着脱が可能なエンジンカウル周辺の空力には、テスト初日から複数の仕様が試された。発表時は前年型踏襲で、カウルの背にはオーソドックスなドーサルフィン。しかし、テスト初日の午後、早くも後方に長く延長した流行の“シャークフィン”タイプを登場させた。
さらに、この双方のカウルに、後ろで独立した水平翼(通称Tウイング)を組み合わせる仕様もテストされた。チームいわく、このリヤウイングにきれいな気流を向かわせたいエリアは、大きな規制緩和で「まだ試行錯誤」だそうだ。
ただ、モノコック関連のボディワークは、容易に変更が可能なものではない。ワイド化された規定の車幅いっぱいを使うのはサイドポンツーンのダクト部分にほぼ留まるものであり、後方に向けて深く絞り込まれる。
セオリーと言えばセオリーだが、やはり17年のワイド化をフルに使ったフロア部分のサイドへの張り出しは、ここ近年の見慣れたF1フォルムとは大きく様相が異なる。
なお、これも規制緩和がされたパワーユニット開発についてメルセデス側からICE(エンジン本体)詳細への明言はないが、ERS(エネルギー回生システム)関連は設計一新が伝えられている。
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