最後の最後で千載一遇のチャンスを得たグエリエリは、レース2のスタートから盤石のダッシュを見せ、すぐさまギャップを拡大。
ターン1ではアダム・ピンチェス(セアト・クプラTCR/Triple A Esports)のアタックを退け、その後はWilliams Esportsのニコデム・ウィスニウスキー(ヒュンダイi30 N TCR)や、その僚友クバ・ブレジンスキー(Lynk&Co 03 TCR)らのプレッシャーにもさらされ続けたものの、前戦寧波のようなアクシデントを回避して25分12周の決勝を走破。念願のヴァーチャル空間初勝利を手にした。
「昨年末にセパンを走ったばかりでまだ時間が経っていないし、そのときは(レース2で)優勝してもいたからね。でもその勝利では逆転チャンピオン獲得にあと少しだけ届かなくて、苦い思い出にもなっている。だから今回の勝利がALL-INKL.COMとホンダに対するわずかばかりの贈り物になったと思うよ」と、eシリーズ初勝利の喜びを語ったグエリエリ。
「確かに現実とは違うし、本物の勝利とは異なるものだけど、僕が要した集中力や努力と献身、そして戦いの精神は本物だった。だからこそ、メカニックのみんなやホンダのスタッフがいなくても、この勝利を共有したかったんだ」
「実際のレースではブレジンスキーからプレスを受け続けていて、彼にはスリップストリームを使われたくなかったから全ラップ、ノーミスの全開アタックを続けてプッシュする必要があった。とても面白くて良いショーだったし、これをまとめてくれたWTCRのオーガナイザーにも感謝したい」
一方、タイトル争いを繰り広げたレーナーとバルディだが、レーナーのセアトがライバルに先行し6位でチェッカーを受けたものの、ヒュンダイのバルディは8位に踏みとどまり、記念すべき『pre-season Esports WTCR』初代チャンピオンを獲得している。
