先頭クリーンエアのメリットを享受するウインカップは、30周目のピットまでに5秒のマージンを稼いだものの、ここで2番手SVGはピットストップを引っ張ることでオーバーカットを狙う戦略を採用。チームメイトより5周長くコース上に留まったSVGは、少ない燃料搭載量とよりフレッシュなタイヤでセカンドスティントを刻んでいく。

 すると、従来よりタイヤ摩耗が激しく全車4本交換を強いられるコンディションも奏功し、2度目のピットを終えたSVGがラップあたり0.5秒のゲインで首位ウインカップに迫ると、残り19周時点の71周目。グリップに勝るSVGがターン11のブレーキングで鮮やかにオーバーテイクを決めて勝負アリ。まずは週末最初の勝利、今季通算9勝目を手にしてみせた。

 明けた日曜のレース2に向け、今度は逆襲を期すウインカップがトップ10シュートアウトを制してフロントロウ入れ替えでスタートが切られると、前日とまったく同じ戦略を採用したSVGがジリジリと7冠チャンピオンを追い詰める。

 そしてレース終盤の最終コーナーで「クロスを狙うジェイミーに対し、ギリギリまでブレーキを残し続けた」SVGがふたたびの逆転劇。今季10勝目、キャリア通算でも50勝に到達する節目の勝利を手にした。

「最後のバトルでは『お互いにヒットするのは絶対に避けたい』と思っていたが、クロスラインでの逆襲を防ぐことができて、良いブレーキングだったと思う」と、開幕直後に骨折した鎖骨負傷の影響がまだ残っているというSVG。

「個人的には、ダーウィンやここタウンスヴィルのように、これまでジェイミーには及ばなかったトラックがいくつかある。彼がここでどれほど優れているかは皆の知るところだ。次週もここでの勝負だし、彼が去る(今季限りで引退を表明済み)前に決着をつけるチャンスだね!」

 両日ともに3位表彰台にはDJRのパスカーレが登壇し、こちらも復調の兆しは見えたものの、週末の結果によりSVGはシリーズポイントを1661点まで伸ばし、2位ウインカップは1416点と、依然として大量リードを保っている。

 続く7月16~18日の週末には、前述のとおり実質の第7戦となるタウンスヴィルでのスーパースプリント戦が争われる予定だ。

得意のタウンスヴィルで逆襲を期すジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB)は、日曜のトップ10シュートアウトで最速を奪い返す
土曜R1は上位進出を果たしながら、タイヤのドロップダウンで7位に終わっていたジェームス・コートニー(フォード・マスタング/Boost Mobile Racing)。レース2はアクシデントでトップ10入りを逃す結果に
レース1で5位に入りながら、レース2を落としたデビッド・レイノルズ(フォード・マスタング/Penrite Racing)は「それでも正しい方向に進んでいる」

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