すでに予備的なエアロパッケージとして、現行S550での『VCAT』と呼ばれるホモロゲーション適正検査は、この6月にもブリスベン近郊のウェルキャンプ空港で実施され承認登録済みであり、事実上ふたつめの空力パッケージは、2022年の年末を前に公式VCATテストでふたたび実施、承認される予定となっている。

 フォードのモータースポーツ部門でグローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルックは、伝統的なバサーストの会場が新型『S650/Gen3フォード・マスタング・スーパーカー』の出発点となることに「とても興奮している」と語った。

「スーパーカーからアナウンスされた計画は、我々にとっても素晴らしいニュースであり、このマスタングのGen3レースカーにとっても素晴らしい未来だ」と続けたラッシュブルック。

「DJRは我々のホモロゲーション担当チームであり、ボディパーツのデザインを含むエアロ開発の面でも非常に緊密に連携している」

「車両のトランスフォーメーションとパネルの改修は順調に進んでおり、バサーストのスケジュールには間に合うだろう。現状のVCATはまだ暫定的な仕様であり、この時点で可能な限り最終的なものにはなっているものの、エンジンや空力などの点でも、さらなる変更や修正対応が可能なものなんだ」

 その空力面に加え、フォード・パフォーマンスはエンジン開発でも重要な役割を果たしており、2023年型の5.4リッターV型8気筒OHVユニットは、現在は耐久性テストのために本国に運ばれており、台上でのテストが続けられている。

 また新型のGT3版は2024年のロレックス・デイトナ24時間でのデビューが予定されているが、将来的にはバサースト12時間耐久への参戦も「プログラムとして大いに考慮されている」という。また、2023年夏より北米でのロードカー発売が開始される計画のS650モデルは、同年のNHRA(National Hot Rod Association/全米ホットロッド協会)への参戦や、2024年のNASCARカップシリーズ投入も決まっている。

新型の”GT3版”は2024年のロレックス・デイトナ24時間でのデビューが予定され、同年のNASCARカップシリーズ投入も決まっている
「車両の”トランスフォーメーション”とパネルの改修は順調に進んでおり、バサーストのスケジュールには間に合うだろう」とマーク・ラッシュブルック

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