今季、ル・マン・シリーズにGT1クラスでサリーンS7-Rをドライブする事が決定、さらにニュルブルクリンク24時間レースにはSTIワークスドライバーとしてスバル・インプレッサを駆ることが決定した2008年全日本F3王者のカルロ・バン・ダム。そのカルロに、近況とシーズン開幕前の心意気を聞いてみた。

 バン・ダムは、2008年に全日本F3のチャンピオンを獲得、その年のスーパーGT終盤2戦にはクスコDUNLOPスバルインプレッサを駆って参戦するなど、日本でも印象的な活躍を残した。

 その後バン・ダムは再びヨーロッパに戻り、F3に参戦する一方、スポーツカーレースやニュルブルクリンク24時間などにも参戦。日本には昨年のアジアン・ル・マンで再び訪れた。今季は、ニュル24時間に参戦するSTIのドライバーにも決定し、再びスバルドライバーとなったカルロ。移動中の車の中で、近況を聞いた。

Q:シーズン開幕直前の今は主に何をしているのですか?
カルロ・バン・ダム(以下CVD):チームとの打ち合わせやシート合わせ、そしてテストにトレーニングと結構毎日忙しくヨーロッパ中を自走で移動しているんだよ。今日の移動距離は、ざっと1日で1,000㎞を超えているけど、慣れているから大丈夫! 職業は『運転手』だからね(笑)。大好きなマイケル・ジャクソンやR&Bの音楽をガンガンに流して移動時間を楽しんでいるよ。

Q:トレーニングは主にどんなことをしているんですか?
CVD:ジョギングやジムでのトレーニング、ロードバイクに加えて、この冬は初めてウインタースポーツを取り入れてみたんだ。オランダは雪もほとんど積もらないし、山もないからね(笑)。冬のスポーツとは無縁の生活をしていたんだけれど、友達の薦めもあってチャレンジしたら、これがかなりの体力が必要で、とても良いトレーニングになることが分かったよ。クロスカントリーなんてたまらなく過酷だよ。

Q:LMS(ル・マンシリーズ)とFIA GTシリーズ、今年はエントリーチームのばらつきが出ましたが、そのことについてどう思いますか?
CVD:今年はFIA GT1世界選手権が開催されるので、LMPではGT1のエントリーが非常に少ないんだよ。僕が出るLMSのGT1クラスは、今のところエントリーは2チームだけらしい。GT2クラスは、フィジケラやアレジが参戦するから賑わっているようだね。それとは反対に、FIA GTでは、GT2クラスのエントリーが少なすぎて開催中止になってしまったから非常に残念だよ。エントリーやチーム運営には、物凄い額のお金が必要だから、どのシリーズ、どのカテゴリーもまんべんなく賑わうことは難しいと思うけれど、ドライバーとしてはそれを強く望むね。僕は、このフルスピードチームのサリーンを、去年のスパ24時間レースとアジアン・ル・マンシリーズでドライブさせて貰った縁で、チームオーナーから真っ先に声を掛けて貰ったんだ。出るからには優勝をしたいし、それに向けて僕もチームもテストを繰り返している。

Q:ニュルブルクリンク24Hレースでは、STIのインプレッサをドライブすることが発表されましたね。
CVD:これは僕にとって非常にラッキーだったと思う。08年のスーパーGTでドライブさせてもらったこともあり、日本のチームにいつか復帰出来ることを心から望んでいたからね。僕の大好きなニュルブルクリンクでそれが実現するとは思ってもみなかったよ。STI関係者の皆さんにはとても感謝しているんだ。僕は、去年にライバルのフォルクスワーゲンワークスでシロッコをドライブして、同じクラスでライバルとして走ったので、今度はVWがライバルになるんだよ。まだマシンには乗っていないけれど、どんな風にセットアップされているのか、今から乗れる日をワクワクして待っているんだ。

Q:4月9~11日に開催されるLMSの8時間耐久レースを皮切りにあなたの今年のシーズンが開始されますね、日本のファンに向けて意気込みをお願いします。
CVD:LMSでは、僕と同じく日本で活躍していたピーター・ダンブレック、トム・コロネル、ドミニク・ファーンバッハー、そしてNAKAJIMA RACINGで活躍するロイック・デュバルらと日本以外の国で一緒に戦えることになる。とても光栄に思うね。僕は、今ちょうど自分の中でもこれからの方向性を考えていて、確実にGTマシンでのステップアップが必要な時期なんだ。だから今まで以上に自分をストイックに追い詰めてレースに挑むつもりだよ。去年は岡山のアジアン・ル・マンシリーズで多くの日本のファンに声を掛けてもらって本当に嬉しかったよ。今年も行けるといいな。

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