ポルシェAGは21日、2013年のWEC世界耐久選手権にポルシェAGチーム・マンタイから参戦する新型991タイプのポルシェ911 RSRをアメリカのセブリングでテストし、その画像を公開した。
WECをはじめル・マン24時間、各地域のル・マン・シリーズなど多くのル・マン規定のレースでプライベーターに愛用されてきたポルシェ911 GT3 RSR。今季はWECに、ワークスとしてポルシェAGチーム・マンタイがエントリーする予定で、市販車では2011年に発表されたタイプ991のボディを使う新型の911 RSRが投入される。
近年、ル・マン規定のGTEカテゴリーではフェラーリ勢に勝利を奪われることも多かったポルシェにとって、このタイプ991の911 RSRは捲土重来を期するマシン。バイザッハで開発された車両はセブリングに送られ、21日にテストが行われることとなった。
セブリングのテストでステアリングを握ったのは、ポルシェのワークスドライバーであるリヒャルト・リエツ、パトリック・ピレのふたり。カーボン地のまま走行した911 RSRは、フロントバンパー左右が先代の911 GT3 RSRに比べ大きくえぐられているほか、991型のボディのせいか丸みを帯びた印象だ。
ポルシェ・モータースポーツの責任者を務めるヘルムート・クリステンは、「今回のテストには満足している。我々の目標は強力なライバルたちがひしめくWECおよびル・マンのGTEクラスに向けて充分な準備を行うことだった」と語る。
「セブリングは新たなレーシングカーのテストとしては最適なサーキットだ。シーズン中、最もタフなル・マン24時間へ向け良いリハーサルができた。開幕戦であるシルバーストンの前に、他のサーキットで911 RSRの最終テストを行いWECに臨む」
WECのLM-GTEプロクラスでは今季、ポルシェAGチーム・マンタイのほかにも昨年王者のAFコルセ、創業100年での栄冠獲得に燃えるアストンマーチン・レーシングが2台ずつを投入する予定で、熾烈な争いが予想される。また、ル・マン24時間ではこの3チームに加え、アメリカからコルベット・レーシング、SRTバイパーGTS-Rを投入するクライスラーSRTと、5つの強豪が争うこととなる。