WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているポルシェは、ル・マン24時間後のシリーズ後半戦に、新たなハイダウンフォース仕様のマシンを導入することを明らかにした。
昨年からLMP1クラスに参戦しているポルシェは、今季に向けてモノコックから新たにマシンを製作。ハイブリッドシステムの放出量も昨年の6MJから8MJに増加させた。そして、開幕2戦ではともに予選を“制圧”。開幕戦のシルバーストンではフロントロウ独占するとともに、3台目のマシンを投入した第2戦スパでも予選トップ3を占める速さを見せた。また、決勝でも18号車が2戦連続で2位を獲得している。
ポルシェLMP1プロジェクトのテクニカルディレクターを務めるアレックス・ヒッチンガーは、8月の第4戦ニュルブルクリンクからの投入に向けて、新たな空力パッケージを開発中なのだと明かした。また、ポルシェは開幕2戦でル・マン仕様に近い仕様で走っていたのだという。
「シーズン後半に向けての変化はおそらく大きなものになるだろう」と語ったヒッチンガー。とはいえ、「あくまで、まだ風洞にかけているところ」と、まだ開発を進めている段階なのだということだ。
「もし私が開幕までに何かを完成させなくてはならず、それをシーズン後半に使うのだとしたら、それは開発の時間をロスすることになるからね」
またヒッチンガーは、なぜ新たなハイダウンフォース仕様をシーズンスタートから持ち込まなかったのかについて、開幕2戦はル・マン仕様に近いセットアップでレースをしたかったためなのだと説明している。ポルシェは、ル・マン仕様のマシンで今月半ばにも耐久シミュレーションを行う予定だということだ。