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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.12.17 00:00
更新日: 2018.02.15 16:58

【アウディジャパン】アウディ、2010年のモータースポーツ活動


アウディ、2010年のモータースポーツ活動
● アウディR15 TDIが新「ルマン インターコンチネンタルカップ」に参戦
● 2010年ルマン24時間には、3台のプロトタイプをエントリー
● ドイツツーリングマスターズ(DTM)参戦を確約

アウディAGは、2010年もドイツツーリングマスターズ(DTM)、ルマン24時間耐久レース、アウディR8 LMSによるカスタマースポーツカープログラムをモータースポーツ活動の3本の柱に位置づけています。さらに2010年シーズンは、代替ドライブコンセプトの使用を容認する未来志向の新シリーズ、「ルマン インターコンチネンタルカップ」にも参戦します。

「2009年は、アウディ創設100周年に当たる重要な年でした。アウディモータースポーツチームは、DTMタイトルを防衛し、節目となる100周年に華を添えています」と、アウディAG取締役会長のルパート シュタートラーは述べています。「アウディスポーツは、過去30年の長きにわたって、モータースポーツ界に君臨しています。アウディスポーツが手にした数々の成功は、アウディブランドの進化と発展にも大きく寄与しています。」

アウディは、2010年シーズンも生産車両にごく近いモータースポーツカテゴリーに参戦します。DTMには看板モデル、アウディA4、カスタマースポーツプログラムにはデビュー直後に成功を勝ち取ったアウディR8 LMS、スポーツプロトタイプにはアウディR15 TDIをそれぞれ使用します。なお、R15 TDIは、アウディスポーツ内では「R15 Plus」のコードネームで呼ばれており、新シーズンを前にいっそうの空力的改良が施されています。

3本柱の中でも、代替パワートレーンコンセプトや先進テクノロジーを投入できるプロトタイプが特に重要な意味を持っています。「2001年ルマンにおいて、我々はTFSIエンジンを搭載するレーシングカーを初めてエントリーしました。以来、TFSIは量産車に標準搭載されるようになりました」と、アウディモータースポーツ部門を統括するDr. ウォルフガング ウルリッヒは述べています。「また、2006年には、ディーゼルパワーのマシンでルマン24時間を制した初のメーカーとなりました。今後もアウディLMP1マシンをベースに先駆的なテクノロジーをテストし、サーキットにおいても弊社のスローガンである「Vorsprung durch Technik(技術による先進)」をさらに具現したい、と考えています。ルマン24時間主催者のフランス西部自動車クラブ(ACO)がLMP1マシンによる初の国際シリーズ設立を発表したことを歓迎します。スポーツプロトタイプは、とりわけテクノロジーの観点から見て非常に魅力的であり、高い将来性を持っているだけでなく、時代の要請にも合致しています。」

新設ルマン インターコンチネンタルカップ

ルマン インターコンチネンタルカップは、将来的に欧州、米国、アジアの各ルマンシリーズの主要レースを取り込んだシリーズに成長し、スポーツプロトタイプによる世界選手権の黄金時代の復活を意図しています。開催元年となる2010年は、シルバーストン(英国)の1,000kmレース、ロードアトランタ(米国)の「プチルマン」とアジアの1イベントを加えた全3戦の構成です。2011年シーズンには、イベント数を増やす予定もあります。

アウディは、2010年ルマン インターコンチネンタルカップにアウディスポーツチームヨーストを参戦させ、2台のR15 TDIをエントリーします。6月12〜13日のルマン24時間には、3台のエントリーを計画しています。アウディスポーツチームヨーストは、ルマン本戦前のリハーサルの意味合いを兼ねて、スパフランコルシャン(ベルギー)1,000kmにも参戦する計画を持っています。

DTMに対する明確なコミットメント

アウディスポーツチームヨーストがルマン24時間を戦っている頃、アウディDTMチームは、開幕戦と第2戦を終えています。世界でもっとも人気の高いツーリングカーシリーズは、2010年もアウディAGモータースポーツ活動の根幹を構成します。2010年はレギュレーションが凍結されるため、2009年DTMチャンピオンマシンであるアウディA4は、ほとんど昨シーズンと同一スペックでスターティンググリッドに並びます。なお、インゴルシュタットおよびネッカーズルムのアウディスポーツファクトリーでは、いっそうのコスト削減を狙った2011年施行の新技術規則に合わせて、A4後継モデルの開発が進められています。

アウディの2010年DTMのテーマは、継続性です。ABTスポーツライン、フェニックス、ロズベルグのアウディスポーツ3チームが、最大9台をエントリーする体制は2009年シーズンと同様です。その一方で、ルマン最多優勝記録を持つトム クリステンセンは、将来的にスポーツカーレースに集中するため、英国期待の若手、オリバー ジャーヴィス(25歳)にコクピットを譲ります。

「アウディ史上最年少の“ファクトリー”ドライバーを現行DTMマシンに乗せて、そのポテンシャルを発揮する機会を提供します」とDr. ウルリッヒ。「オリバーは、旧型のA4で素晴らしいパフォーマンスを披露していますから、現行モデルでも期待に応えてくれるでしょう。」

DTMおよびスポーツプロトタイプのドライバーラインナップ全容は、今後数週間以内に決定されます。「DTM、ルマン24時間、ルマンインターコンチネンタルカップのすべてにおいて、最高のパフォーマンスが発揮できるラインナップを確定しようと考えています。そのためには若干時間がかかります」と、Dr. ウルリッヒは決定のタイミングの理由を説明しています。

アウディR8 LMSによる拡大カスタマープログラム

デビューイヤーに23勝と3つのチャンピオンシップを獲得したGT3仕様のアウディR8 LMSは、2010年3月より298,000ユーロ(付加価値税を除く)の価格でデリバリーが始まります。最良のサービスを提供するため、2010年シーズンの欧州市場向けデリバリーは、最大20台に限定されます。

アウディは、2010年シーズンもカスタマーサポートに注力し、特に5月15日〜16日に開催されるニュルブルクリング24時間でカスタマーチームをサポートします。2台のR8 LMSは、アウディのスペシャルサポートの対象となります。

「DTM、R15、R8 LMSの3本柱により、アウディは来季もモータースポーツシーンで独自のプレゼンスを発揮します」と、技術開発担当取締役で、アウディAGモータースポーツプログラム統括責任者でもあるミハエル ディックは述べています。「これら3カテゴリーにおいては、対費用効果も適切であることが確認されています。このような時期には、投資に対して適切な効果が得られることが重要です。」