F1開幕前、最終テストのパドックから現地の雰囲気をお伝えします。2日目の午前中は曇りがちで体感温度も寒かったバルセロナですが、お昼休みの頃には太陽が出てきて一気に暖かくなりました。上着を着ていると汗ばむほどで、ぽかぽかと春のような陽気。さすが南欧、スペインの太陽です。
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バルセロナでは、ヘレスのテストではなかった1時間のお昼休みが設けられていて、その間チームゲスト向けピットウォークとしてピットレーンが開放されています。各チームがショーカーを持ち込んで展示するのも、バルセロナ・テストは恒例のこと。
たいていは前年型マシンのショーカーを展示するのですが、マクラーレンはテスト前のフィルミング撮影で使用したMP4/4を展示。しかし、この時代はスペインでF1の放送がなかったせいか、ファンへのアピール度は今ひとつ……? ロゴがなくてスッキリしすぎているのと、あまりに時代が違いすぎてクルマが小さく見えてしまうというのも理由のひとつかもしれません。
ザウバーは2日目も本格的なレースシミュレーションを敢行。ピットウォールにエンジニアたちが詰めて、午前中最後の1時間に予選シミュレーション、午後は65周のレースシミュレーションです。ピットウォールも今年のイメージカラーであるブルーに塗り替えられています。
ザウバーではピットストップ時に使用するフロントジャッキや、フロントタイヤの停止位置を示すためのプレートも今年のイメージカラーに変身。ちなみに青&黄色はフェリペ・ナスルを支援するブラジル銀行の色なんですが、偶然にもマーカス・エリクソンのスウェーデン国旗とも同じ色。パドックでは「あれはIKEAカラーにしか見えない」「IKEAのスポンサー狙ってるんじゃない(笑)」と言われています。
当日の朝に到着したフォース・インディアVJM08が最終整備作業を経て、昼過ぎにコースイン。その少し前からファイヤーアップをするなど走行開始の予感が漂っていたので、フォース・インディアにとっては滅多にないくらいメディアの注目を集めました。
この日はステアリングを握らないセルジオ・ペレス、なぜか渋〜い私服で新車の走り出しを見守っていました。フォース・インディアには2014年シーズン、小林可夢偉のレースエンジニアを務めていたティム・ライトも加入しています。
朝は寒くて、あまり有意義なテストができないこともあり、トロロッソは空力データ収集後はライブピットストップ練習に専念。マックス・フェルスタッペンは新人ながら、ピットアウト時はリヤを流してカウンターを当てながら全開で立ち上がってきます(バーンアウトのタイヤ痕とステアリング舵角の違いに注目!)。こういった芸当を危なげなくできるのは、さすがF1ドライバーですね。
でも実は、その前に、こんなパイロンを使ってピットインの練習をしています。停止位置にピタリと止める練習です。熟練のF1ドライバーだって時にはメカニックを跳ねてしまうくらいですから簡単なことではないのです。メカニックだって恐いので、新人くんが走行するとき最初はこうやって練習するのです。
2日目、圧倒的なトップタイムを叩き出したメルセデスのニコ・ロズベルグのもとに多くのメディアが詰めかけました。母国ドイツのメディアがいなかったので、すぐ英語での取材かと思いきや、まずはスペイン語、それが終わると次はイタリア語と、いろんな言語でのインタビューが続き、イギリスのテレビクルーがコケていました(笑)。マルチリンガル過ぎるのも時には考えもの?
ついにレース距離を超える101周を1日で走行。マクラーレン・ホンダに光明が見えてきました。お昼ごはんを食べに行く余裕がなかったのでマクラーレンのサンドイッチ、通称“マクホンサンド”(日本人メディア関係者で勝手に命名)をいただいちゃったのですが、今日のサンドイッチはなんと『エビマヨ』。こんなところでも、だんだん日本文化と融合してきたみたいです。快走の要因は、こんなところにあったりして!? ──といったところで、さらに明るい明日を祈りながら、2日目のバルセロナからお別れです。