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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.10.31 00:00
更新日: 2018.02.15 16:12

【ポルシェジャパン】アジアン ルマン シリーズ – 岡山 – レース1 レースレポート


アジアン ルマン シリーズ – 岡山 – レース1 レースレポート

ルマン24時間耐久レース、アメリカンルマンシリーズ(ALMS)に続く新たなルマンシリーズとして、今回が初開催となる「アジアンルマンシリーズ」が10月30日(金)〜11月1日(日) の3日間に渡って岡山国際サーキット(岡山県)にて開催されました。

ルマンシリーズのレギュレーションに沿ったクラス区分により、LMP1、LMP2、LMGT1、LMGT2の4クラス混走で行われる本シリーズでは、今回はLMGT2クラス10台の中に3台の911 GT3 RSRが参戦しました。そのうちドイツからはTEAM FELBERMAYR- PROTONより#77号車、#88号車の2台、日本からはHANKOOK-KTRより#98号車がエントリーし、各クラスの優勝チームが獲得する2010年ルマン24時間レースへの参戦権を賭けた勝負へ名乗りを上げました。

10月30日(金)に行われた予選セッションによってスターティンググリッドが決定。911 GT3 RSRの3台はそれぞれ、#77号車(Lieb / Henzler組)が1'30.847でGT2クラス2番手を獲得、#88号車(Ried / Holzer組)が1'31.515で同クラス4番手、#98号車(木下みつひろ / 影山正美組)が1'32.258で9番手となりました。

■レース1
10月31日(土) 晴れ/気温22度/路面温度25度
夏を感じさせるほどの晴天の下、午後0:30にローリングスタートによって全クラス合計23台のマシンがスタートを切りました。
好スタートを切った#77 Liebと#88 HolzerがオープニングラップからGT2クラスの1&2ポジションを確保し1分33秒〜34秒台のペースで周回を重ねました。しかし9周目にはクラス3番手で911 GT3RSRを追っていた#92 BMW M3のMullerが#88 Holzerをオーバーテイク。この時点で#77 Liebがクラストップを快走。以降#92 Muller、#88 Holzerの順で3位までを占め、#98 影山が7位というオーダーでポルシェ勢3台それぞれのレースは続きました。

1時間が経過したころ、32周目にポルシェ勢ではまず#98 影山がピットイン。タイヤ交換と給油を済ませ、ドライバーは木下へとチェンジしました。そして38周目にはGT2クラストップ快走中の#92 Mullerを#77 Liebがバックストレートでオーバーテイク。しかし直後に予定通りのピットインを行い、ここでドライバーはHenzlerに交代。続いて43周目には#88 HolzerがピットインしRiedへとドライバーチェンジしました。一方再びトップに立った#92 Mullerは56周目にようやくピットイン。ドライバーはMilnerに交代。この時点でポルシェ勢3台のポジションは#77 Henzler トップ、#88 Ried 5位、#98 木下 7位という状況。しかしスタートから2時間を迎えようかという69周目に、クラストップ#77 Henzlerの背後にピタリと付けて周回していた#92 Milnerにバックストレートエンドで先頭を奪われることとなりました。

その後は#77号車が再びLiebに交代、#88号車もHolzerとチェンジするなどそれぞれ最後のピットを済ませ最後の追い上げを始めました。
最初のピットインがポルシェ勢よりも遅かった#92 Milnerはレース時間残り30分が近づいてもピットインせず先頭を死守し、2番手の#77 Liebに53秒のリードを稼いでいたところ、92周目に遂にピットイン。#77 Liebにとってはレース終盤にトップに立つチャンスが巡ってきました。しかし#92 Milnerは僅かな給油のみのピットインを決行し、ポジションを譲らないまま2位#77 Liebに23秒のマージンを稼いだままコース復帰を果たしました。

しかしその後は周回を重ねるごとに#77 Liebの激しい追い上げに加え、#92 Milnerのタイヤがギリギリの状態となり、各所でリアが滑る状況が重なり、レース時間残り10分の時点で#77 Liebと#92 Milnerの差は0.4秒。さらに#88 Holzerも4番手走行の#85 Ferrari 430に0.1秒差のテールトゥノーズ。結果#77 Liebは#92 Milnerを惜しくもパスするに至らず堂々のクラス2位獲得。#88はファイナルラップの最終セクションで見事に#85 Ferrariを抜きクラス4位獲得。#98 木下/影山組は後半に予定外のピットインを強いられ7位フィニッシュとなりました。

見事クラス2位を獲得した#77号車のLieb / Henzler組は「とてもタフなレースでした。岡山を走るのは初めてで、とても良いサーキットだが、路面がスリッピーで難しかったです。最後のピットでBMWはタイヤ交換しなかったので毎ラップで約1秒縮めて攻めましたが抜く事が出来なく残念です。明日は絶対にBMWに勝ちます!」と2位に甘んじることの無い力強い意気込みが語られました。また、#88号車のRied / Holzer組は「最終ラップでフェアにフェラーリをオーバーテイクし、初めてのアジアンルマンを4位でフィニッシュできた結果は悪くないと思います。岡山のコースはヨーロッパにはあまり無いロング&ショートコーナーやアップダウンが含まれたおもしろいサーキットでした。明日はポディウムを狙いたいと思います。」と、ポディウムに一歩届かなかった悔しさを明日のレースで晴らす気持ちを語りました。
そして日本チームである#98号車の木下/影山組は「ウォームアップ時の雰囲気からは良い感触を持って臨みましたが、周回を重ねるごとにコントロールの面で厳しくなり、思うようにタイムを伸ばすことができませんでしたが、タイヤ交換をせずに走り抜いたことで今後に向けての良いデータは取れたと思います。 明日は再び作戦を練って挑みたいと思います」と、新たな戦略に出ることも伺わせながら明日の戦いに向けた強い気持ちを語りました。

初開催となるアジアンルマンシリーズのレース2は明日午前9時5分にスタートします。

Statistics: Asian Le Mans Series Rece 1
Result GT2 class
1. Muller/Milner (DEU/USA), BMW E92 M3, 113 laps
2. Lieb/Henzler (DEU/DEU), Porsche 911 GT3 RSR, 113 laps
3. Fambacher/Simonsen (DEU/AUS), Ferrari F430 GT, 113 laps
4. Reid/Holzer (DEU/DEU), Porsche 911 GT3 RSR, 112 laps
5. Tanaka/Hiranaka (JPN/JPN), Ferrari F430 GT, 112 laps
6. Aoki/Fujii (JPN/JPN), Ferrari F430 GT, 111 laps
7. Kinoshita/Kageyama (JPN/JPN), Porsche 911 GT3 RSR, 109 laps
8. Robertson/Robertson/Murry, Ford GT Mk7, 108 laps
9. Lee/Ma/Enge, Aston Martin Vantage, 107 laps