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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.02.12 00:00
更新日: 2018.02.15 18:03

【ポルシェジャパン】911 GT3 Rハイブリッドがジュネーブでワールド プレミア


「ポルシェ インテリジェント パフォーマンス」がレーシングカーをより高い効率へと導く

911 GT3 Rハイブリッドがジュネーブでワールド プレミア

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)は、フェルディナンド・ポルシェが世界初のハイブリッドカーであるローナーポルシェ“Semper Vivus“を製作してちょうど110周年にあたる今年、この彼の先見の明に溢れたドライブコンセプトをプロダクションカー ベースのGTマシンに再び投入することを決定いたしました。ポルシェは、3月2日に開幕するジュネーブモーターショーのプレスデーにおいて、革新的なハイブリッドシステムを搭載したポルシェ911 GT3 Rをワールド プレミアいたします。この数々の成功を収めたポルシェ911の革新的コンペティション マシンの登場により、45年間で2万勝以上を挙げてきた輝けるポルシェ モータースポーツの歴史の新たな幕を開けます。

この車に採用される革新的なハイブリッドテクノロジーは、レース専用に開発されたもので、従来のハイブリッドシステムの構成およびコンポーネントとは一線を画しています。フロントはそれぞれ60 kWを発生する2基のモーターで駆動され、911 GT3 Rのリヤに搭載された480 PSを発生する4リッター水平対向6気筒エンジンをアシストします。また、バッテリーを使用する通常のハイブリッド車とは異なり、ドライバーズシートの隣に搭載されたエレクトリカルフライホイールパワージェネレーターがモーターに電源を供給します。
このフライホイールジェネレーターは最高回転数40,000 rpmを誇り、それ自体が運動エネルギーを蓄えます。ブレーキング時にフロントアクスルの2基のモーターがジェネレーターとして作動し、このフライホイールジェネレーターにエネルギーを蓄えます。その後、必要な場合はいつでも、つまりコーナー脱出時や追い越しの際には、フライホイールに蓄えられたエネルギーを使うことができます。この場合、フライホイールがジェネレーターモードとなって電気機械的に減速され、その運動エネルギーを使ってフロントの2基のモーターが最大120 kWの出力を供給します。このパワーブーストはドライビング コンディションにより異なりますが、約6〜8秒間使用することができます。

これまではブレーキを使用するたびに熱に変換され無駄になっていたエネルギーが、高い効率で駆動力をブーストするエネルギーに変換されるのです。

レースの条件に応じて、このハイブリッドシステムを使ってより大きなパワーを得られるだけでなく、燃費も向上します。また効率の向上により、たとえば搭載燃料を減らしたり、ピットストップの回数を減らすなど、911 GT3 Rハイブリッドのパフォーマンスを高める結果につながります。

911 GT3 Rハイブリッドはジュネーブでデビューした後、ニュルブルクリンクの各長距離レースでテストされます。このテストプログラムのハイライトは、5月15日から16日にかけてニュルブルクリンクの北コースで開催される24時間レースです。このレースでの目的は911 GT3 Rハイブリッドで勝利することではなく、最先端のテクノロジーの推進と「レースラボ」において今後のロードゴーイングスポーツカーにおけるハイブリッドテクノロジーの使用に関するデータを取ることです。

911 GT3 Rハイブリッドは、サーキットでも公道でも、より少ない燃料でより大きなパワー、より高い効率とより少ないCO2排出量の達成を目標として掲げる「ポルシェ インテリジェントパフォーマンス」フィロソフィを完璧に具現化したモデルです。