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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2009.10.14 00:00
更新日: 2018.02.15 15:50

【ポルシェジャパン】ALMS:ポルシェが通算100勝でシーズンフィナーレを飾る


アメリカン・ル・マン・シリーズ第10戦 : 米国、ラグナセカ

ALMS:ポルシェが通算100勝でシーズンフィナーレを飾る

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)は、ラグナセカで開催されたアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS) のシーズン第10戦においてシリーズ通算100勝目を挙げました。フライングリザードモータースポーツからポルシェ911 GT3 RSRで参戦したポルシェのワークスドライバー、イェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/パトリック・ロング(米国)組がカリフォルニアの空の下で繰り広げられたドラマチックなシーズン最終戦で勝利を飾り、GT2クラスのチャンピオンに輝いたのです。また、マニュファクチュアラー部門でもポルシェはタイトルを獲得し、さらにフライングリザードモータースポーツがチーム部門の栄冠を勝ち取りました。

「今日は、すばらしいシーズンをまさに有終の美で飾ることができました。私は勝つために全力を出し切りました」と4度目となるチャンピオンに輝きALMS史上、2番目に多くの勝利を挙げたドライバーとなったベルクマイスターが話しています。ロングも2度目となるタイトル獲得に喜びを隠さず、「私達はどのライバルよりも着実に勝利を重ね、チームもほとんどミスをすることがありませんでした。苦戦を強いられたこともありましたが、そんなときも冷静さを保っていました。その姿勢こそが今日の大きな成功の要因だと思います」と語りました。

ベルクマイスターとロングは今シーズン、フライングリザードモータースポーツのポルシェ911 GT3 RSRですばらしい成績を収めました。このペアはシリーズ5連勝を飾り、その結果、手強いライバルであるフェラーリとBMWに対して大きくポイント差を広げてきました。そしてこの日の6勝目でタイトル獲得を決めたのです。ベルクマイスターにとっては2005年、2006年および2008年に続き4度目、またロングにとっては2005年に続き2度目のALMSのタイトル獲得となりました。さらに、ポルシェにとっては世界最速のスポーツカーで競われるアメリカン・ル・マン・シリーズにおける9回目のGTタイトルの獲得となります。

モンテレー砂漠に位置する一周3.601 kmのサーキットにおける4時間にわたるレースの序盤、ポルシェのワークスドライバーは安全策を取っていました。10位以内のフィニッシュでチャンピオン獲得となるため、リスクを避けた安全なレース運びに徹したのです。しかし、チャンピオンシップ獲得に向けての唯一の脅威であったフェラーリがレースをリードしていた71周目でクラッシュしリタイアしたため作戦を切り替えます。これについて、ベルクマイスターは「あの時点からレース優勝を目指しました」とコメントしています。そして彼らは優勝を目指して猛烈にプッシュを開始します。リシ・フェラーリのリタイア後、コルベットのジャン・マグナッセンが最大のライバルとなります。そして迎えた最終ラップにドラマと興奮が待ち受けていました。

夕闇迫る中、イェルク・ベルクマイスターとマグナッセンはまさにホイールとホイールが接触するほどの一騎打ちの闘いを繰り広げます。そしてフィニッシュ直前、最終コーナーでコルベットのジャン・マグナッセンが最後のアタックに出ます。しかしポルシェと接触、結局コルベットはストレートでコースアウト、一方ポルシェは何とかスピンを免れます。イェルク・ベルクマイスターは、「コースアウトを避けるのに必死でした。マグナッセンのコースアウトでレースが決着したのは残念です」と話しています。

ファルンバッハロールレーシングの911 GT3 RSRを駆るポルシェのワークスドライバーであるウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)はチームメイトのピエール・アーレットと共に白熱したレースを制して3位に入賞しています。「今日は私のキャリアの中で最も厳しいレースでした」とヘンツラーは述べています。「チャンピオンシップで3位を獲得するためには、今日のレースで3位以内に入賞する必要がありました。そして残り2周となったとき、その目標を現実のものにすることができました。運に左右されたシーズンをこういう形で締め括ることができ嬉しく思っています」。また、サイトスポーツチームにも笑顔が溢れていました。クラウス・グラフ(ドイツ)/グレッグ・ピケット(米国)組はポルシェRSスパイダーでLMP2クラス2位に入賞、RSスパイダーのALMSへの復帰をより確固たるものとしたのです。「すごいレースでした。何度もミスをしましたが、それでも2位でフィニッシュすることができました。これはRSスパイダーの信じられないほど高い信頼性のおかげです」とクラウス・グラフがレースを振り返ります。「これで4戦中4回とも表彰台に上ることができました。初シーズンの結果としては上々です」。ポルシェのモータースポーツ部門のトップであるハルトムート・クリステンは「ベルクマイスターとロングの勝利は最高にエキサイティングなレースにふさわしいエンディングであり、激しい戦いが展開するシリーズを完璧に締め括ることができました」と話しています。「ポルシェのマニュファクチュアラー部門のタイトル、フライングリザードモータースポーツのチームタイトル、ベルクマイスターとロングのドライバー部門タイトルの獲得と、これ以上望むことのできない最高の結果です。今シーズンも、シュトゥットガルトで造られるスポーツカーが世界最高であることを示すことができました」。ハルトムート・クリステンはこの成功には満足している反面、フラストレーションも抱えています。「2位につけていたコルベットは3つもの重大な違反を犯したにもかかわらず、そのうち2つにはペナルティーが課されなかったことには納得がいきません。IMSAはこの点についてすぐにでも何らかの対応策を講じるよう期待します。やはり、公平性がシリーズの将来の鍵を握っているのですから」。

ポルシェは3つのタイトルに加え、環境クラスである「ミシュラングリーンXチャレンジ」も獲得しています。フライングリザードモータースポーツから参戦したカーナンバー#44のポルシェ911 GT3 RSRが、今シーズン新設され周回数と燃費の比率で全体的な効率を競うこのクラスを制しました。「ミシュラングリーンXチャレンジ」では、ロングビーチ、ソルトレイクシティ、ライムロック、ロードアトランタおよびラグナセカでポルシェが優勝しています。最後の2つのレースでは、GT3 RSRでE85フューエル(バイオエタノール85%)のトライアルが行われました。「GT2クラスのタイトルと並び環境クラスでも勝利したことに大きな誇りを感じます」とクリステンは話しています。「モータースポーツの競技車両でも効率を重視するということが、正しい方向性であることが証明されたのです」。また、マーチン・スノー/メラニー・スノー(ともに米国)夫妻が、ポルシェ911 GT3カップでALMSチャレンジのタイトルを獲得しています。

レース結果: アメリカン・ル・マン・シリーズ第10戦(全10戦)、カリフォルニア州ラグナセカ

GT2クラス
1. ベルクマイスター/ロング組(ドイツ/米国)、ポルシェ911 GT3 RSR、155周
2. マグナッセン/オコーネル組(デンマーク/米国)、シボレーコルベットC6.R、155周
3. ヘンツラー/アーレット組(ドイツ/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 RSR、154周
4. ファルンバッハ/ジェームス組(ドイツ/米国)、パノスエスペランテ、154周
5. ニーマン/ファン・オーバービーク組(米国/米国)、ポルシェ911 GT3 RSR、153周
6. ミュラー/ミルナー組(ドイツ/米国)、BMW E92 M3、153周

GT2クラスポイント順位
ドライバー部門
1. イェルク・ベルクマイスター、パトリック・ロング(ポルシェ)181ポイント
2. ジェイミー・メロ、ピエール・カッファー(フェラーリ)137ポイント
3. ウォルフ・ヘンツラー(ポルシェ)102ポイント
4. ディルク・ミュラー、トミー・ミルナー(BMW)100ポイント
5. ドミニク・ファンバッハー、イアン・ジェームス(パノス)95ポイント
6. ジャン・マグナッセン、ジョニー・オコーネル(シボレー)86ポイント
7. セズ・ニーマン(ポルシェ)76ポイント

マニュファクチュアラー部門
1. ポルシェ 188ポイント
2. フェラーリ 137ポイント
3. BMW 118ポイント

チーム部門
1. フライングリザードモータースポーツ(ポルシェ)181ポイント
2. リシ・コンペティツィオーネ(フェラーリ)137ポイント
3. レイホール・レターマン・レーシング・チーム(BMW)118ポイント