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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.03.25 00:00
更新日: 2018.02.15 18:55

【ポルシェジャパン】ALMS: ポルシェがクラス優勝、さらに環境クラスでも優勝


アメリカン・ル・マン・シリーズ第1戦、セブリング

ALMS: ポルシェがクラス優勝、さらに環境クラスでも優勝

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)は、アメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)のシーズン開幕戦、セブリング12時間レースにおいてスポーツプロトタイプのポルシェRSスパイダーのLMP2クラス優勝、さらに環境クラスであるミシュラングリーンXチャレンジでのポルシェ911 GT3 RSRの優勝と、2つの栄誉に輝きました。フロリダ州で開催された耐久レースにおいて、ヴァイザッハ生まれのスポーツカーは最高の効率と燃費を誇ることが証明されました。

サイトスポーツチームのピットでの祝勝会はこれ以上ないほどの盛り上がりを見せていました。RSスパイダーに乗り込んだクラウス・グラフ(ドイツ)/サシャ・マーセン(ドイツ)/グレッグ・ピケット(米国)組がシーズン中もっとも権威のあるこのレースでクラス優勝を飾りましたが、これは同時にこのヴァイザッハ生まれのスポーツプロトタイプでALMSに優勝した初のカスタマーチームとなる快挙でもあります。「すばらしい結果です。12時間以上におよぶこのレースで、車はノントラブルで時計のように正確に走り続けました」とサシャ・マーセンは話しています。RSスパイダーは2006年から2008年にかけてアメリカン・ル・マン・シリーズのLMP2チャンピオンシップタイトルを連続で獲得し、2008年にはセブリングでの総合優勝という最大の成功を収めています。今回の勝利で、その伝説はより確固たるものとなりました。「次のラグナセカでこのすばらしい車でレースするのが待ち切れない気持ちです」とマーセンは続けています。

セブリング12時間レースはセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催され、開催58回を数える米国でもっとも長い歴史を誇るレースです。ポルシェはALMSのGT2クラスでも好スタートを切っています。新生ファルケンタイヤチームの911 GT3 RSRを駆るポルシェのワークスドライバーであるウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)は、この強豪がひしめくクラスで見事なスタートを決めてトップに躍り出ます。その後、同じポルシェのワークスドライバーであるイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)のフライングリザードモータースポーツ911 GT3 RSRがリードを奪います。「車の調子は良いです」とディフェンディングチャンピオンであるイェルク・ベルクマイスターは最初のドライバー交代の後に話しています。「特に後半かなりペースが上がりました」。

しかし、ベルクマイスターのドライブする911 GT3 RSRにウォルフ・ヘンツラーのポルシェから外れたホイールがヒットし、クラス優勝の望みが絶たれます。ベルクマイスターはこのアクシデントについて「ピットインを余儀なくされ、その後ペースカーが出たためピットアウトすることができませんでした。ピットインしても、レギュレーションでこの状況では修理が禁止されています。結局、メカニックが作業できないまま時間が過ぎました」。4周後にペースカーが先頭車両を捉えた時点でようやくフライングリザードのピットクルーは作業を開始することができました。彼のチームメイトであるパトリック・ロング(米国)とマルク・リーブ(ドイツ)はこのロスタイムを取り返すために猛プッシュしましたが、結局表彰台には届きませんでした。

「これは、良いジンクスかもしれません」とパトリック・ロングが話しています。「昨シーズンはセブリング4位という成績でシーズンスタートとなりましたが、その後5勝してタイトルを獲得できましたから」。このコメントにイェルク・ベルクマイスターは多少元気づけられた様子で、「今日は宝くじを買っておくべきでした。ホイールがヒットする確率と、宝くじに当選する確率はほぼ同じでしょうから」と続けました。同じくワークスドライバーのパトリック・ピレ(フランス)とブライアン・セラーズ(米国)とチームを組むウォルフ・ヘンツラーはこの不運なアクシデントを前向きに捉え、「できたばかりのチームとして、僕たちはこのレースからは非常に多くのことを学びました。僕たちの弱点も浮き彫りとなったので、次のレースまでにそれを克服します」とコメントしています。

カーナンバー#44のフライングリザードから参戦したもう1台の911 GT3 RSRは、5位でフィニッシュしています。2009年シーズンには、この車はミシュラングリーンXチャレンジで総合優勝に輝き、今回もセブリングでカーナンバー#45を抑えこの環境アワードを受賞しました。ダレン・ロー(米国)およびセズ・ニーマン(米国)とステアリングを握ったポルシェのワークスドライバー、リヒャルト・リーツ(オーストリア)は、「911 GT3 RSRは、最も効率の高いGTレースカーであることがまた証明されました」と話しています。

スタート前、ポルシェはセブリング・インターナショナル・レースウェイに集まったファンとともに過去の歴史に浸りました。50年前の初勝利以来、ポルシェはこのクラシック耐久レースで18回の総合優勝を飾っていますが、その初勝利を飾ったポルシェRS 60スパイダーとハンス・ヘルマンがフロリダの飛行場の滑走路に設けられたサーキットで数周デモンストレーション走行をしたのです。この現在82歳のドイツ人ドライバーは、1960年3月26日ベルギー人のチームメイトであるオリビエ・ジャンドビアとこのレースに参戦、優勝を果たしています。

アメリカン・ル・マン・シリーズの第2戦は、4月17日にカリフォルニア州ロングビーチで開催されます。

アメリカン・ル・マン・シリーズ第1戦(全9戦)、フロリダ州セブリング
レース結果

LMP2クラス:
1.\tグラフ/マーセン/ピケット組(ドイツ/ドイツ/米国)、ポルシェRSスパイダー、353周
2. ブラバム/フランキッティ/パゲノー組(オーストラリア/イギリス/フランス)、ホンダARX-01c、349周
3. ダイソン/スミス/メイリック組(米国/イギリス/イギリス)、マツダ/ローラB09、303周

GT2クラス:
1. メロ/カッファー/ブルーニ組(ブラジル/ドイツ/イタリア)、フェラーリ430 GT、331周
2. ヴェルナー/ミルナー/オーバーレン組(ドイツ/米国/米国)、BMW E92 M3、330周
3. ミュラー/ハンド/プリオール組(ドイツ/米国/イギリス)、BMW E92 M3、330周
4. ベルクマイスター/ロング/リーブ組(ドイツ/米国/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 RSR、329周
5. ロウ/ニーマン/リーツ組(米国/米国/オーストリア)、ポルシェ911 GT3 RSR、325周
6. コスモ/ブラウン/バルボザ組(米国/米国/ポルトガル)、フェラーリ430 GT、323周

LMP2クラス-ポイントスタンディングス
ドライバーズポイント
1. クラウス・グラフ、サシャ・マーセン、グレッグ・ピケット(ポルシェ)30ポイント
2. デイビット・ブラバム、マリノ・フランキッティ、サイモン・パゲノー(ホンダ)26ポイント
3. クリス・ダイソン、ガイ・スミス、アンディ・メイリック(マツダ/ローラ)23ポイント

コンストラクターズポイント
1. ポルシェ 30ポイント
2. ホンダ 26ポイント
3. マツダ 23ポイント

チームポイント
1. サイトスポーツ 30ポイント
2. ハイクロフト・レーシング 26ポイント
3. ダイソンレーシングチーム 23ポイント

GT2クラス-ポイントスタンディングス
ドライバーズポイント
1. ジェイミー・メロ、ピエール・カッファー、ジャンマリア・ブルーニ(フェラーリ)30ポイント
2. ディルク・ヴェルナー、トミー・ミルナー、ビル・オーバーレン(BMW)26ポイント
3. ディルク・ミュラー、ジョーイ・ハンド、アンディ・プリオール(BMW)23ポイント
4. イェルク・ベルクマイスター、パトリック・ロング、マルク・リーブ(ポルシェ)20ポイント
5. ダレン・ロー、セズ・ニーマン、リヒャルト・リーツ(ポルシェ)18ポイント
6. ガイ・コスモ、エド・ブラウン、ジョアン・バルボザ(フェラーリ)16ポイント

コンストラクターズポイント
1. フェラーリ 30ポイント
2. BMW 26ポイント
3. ポルシェ 20ポイント

チームポイント
1. リシ・コンペティツィオーネ(フェラーリ)30ポイント
2. レイホール・レターマン・レーシング(BMW)26ポイント
3. フライングリザードモータースポーツ(ポルシェ)20ポイント