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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.04.14 00:00
更新日: 2018.02.15 19:23

【ポルシェジャパン】LMS:ポルシェがシーズン開幕戦でワンツーフィニッシュ


プレスインフォメーション\t2010年4月13日

ル・マン・シリーズ第1戦、フランス、ル・カストレ

LMS:ポルシェがシーズン開幕戦でワンツーフィニッシュ

 ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)の911GT3 RSRは、ポール・リカール・サーキット(フランス)で行われたル・マン・シリーズ(LMS)開幕戦のル・カストレ8時間耐久で素晴らしいスタートを切りました。熾烈な戦いが繰り広げられるGT2クラスのディフェンディングチャンピオンであるポルシェのワークスドライバー、マルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組は、2位に2周差をつけてチェッカーフラッグを受け、ファンを魅了しました。さらに、この2人と同じフェルベマイヤー・プロトン・チーム(ドイツ)に所属するポルシェのワークスドライバーのパトリック・ロング(米国)とマルティン・ラジンガー(オーストリア)、およびチームオーナーであるクリスティアン・リード(ドイツ)は、新しいチームで臨んだこの最初のレースで周囲の驚きをよそに2位につけ、ワンツーフィニッシュの快挙を成し遂げました。

 LMSでのワンツーフィニッシュは、ポルシェ911のコンペティションマシンにとって、この週末の大きな成功の頂点を飾る出来事ですが、同じ週末に開催された合計3つのシリーズで4つの優勝を果たしました。土曜日にはニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップで、世界で最も成功を収めているGTカー、911 GT3Rが優勝。そしてオッシャースレーベンでは、ADAC GTマスターズの土曜日の2つのレースで、2台の911がそれぞれ優勝を飾っています。

 ル・マン・シリーズのGT2クラスで過去3度チャンピオンに輝いたマルク・リーブは、次のように話しています。「多くの課題を乗り越え、これほど圧倒的な勝利を挙げたことで、みな大喜びしており、本当にほっとしています。今回の成功の要因のひとつは、やはりポルシェ911 GT3 RSRの非常に優れた効率にあります。私達はフェラーリよりもピットストップの回数が1回少なくレースを終えることができたのです。このレースではダブルポイントを獲得できたため、今回の優勝は私達にとって非常に大きな意味を持ちます」。ポール・リカールで行われたル・カストレ8時間耐久レースでの総合ウィナーの走行距離は、例年1,000 km前後ですが、今年は1,500 km以上を走破したため、効率に優れた911 GT3 RSRをドライブしたリーブとリーツが30ポイントを獲得することができたのです。

 ディフェンディングチャンピオンは積極的な走りを見せ、1周のアドバンテージをものにしていましたが、給油システムにトラブルが発生し神経と時間を消耗することになりました。リーブは「ピットでの給油は、長い時間がかかっているように思えました」と言っています。そのため2人は何周もの間、リードを奪われていました。しかし、ライバルがピットに入ると2人は再びトップに立ち、最後までリードを守り抜きました。ふだんは冷静なリヒャルト・リーツでさえ、ナーバスになっていたようでした。「ピットストップの不運に見舞われるまでは、私達のマシンはすべて完璧でした。終盤、ややコントロールしにくくなり、緊張を強いられていましたが、結果を出せて良かったです」。

 もうひとつのフェルベマイヤー・チームにとっては、2位になったことは優勝したことのように感じられました。ポルシェ ジュニア出身のオーストリア人マルティン・ラジンガー、ポルシェのワークスドライバーでアメリカ人のパトリック・ロング、およびチームオーナーであるドイツ人クリスティアン・リードの国際色豊かな3人は、今回初めて一緒にチームを組んで戦いました。ラジンガーは笑顔で、「本当に信じられません。チーム一丸となって、素晴らしい仕事をしました。私達の911は完璧な走りを見せ、3人の息も見事に合っていました。誰一人としてミスをしませんでした。」と語っています。パトリック・ロングにとって初参戦となったル・カストレは、二つの初体験を与えてくれたレースとなりました。ロングは、「新しいチームで、新しいシリーズで、これ以上のスタートは望めないでしょう。練習中はセッティングで苦労しましたが、このレースに向けて911 GT3 RSRのために有効な対策を見つけることができました。チーム全員のお蔭で、ピットストップもスムーズにいきました」と言っています。クリスティアン・リードも喜んでいました。2人のプロドライバーと一緒に初めてこのシリーズに出場した紳士的なレーサーは、自分の腕前を自嘲気味に捉えています。「私は期待したほど良くはありませんでしたが、恐れていたほど悪くもありませんでした」。

 フランスのIMSAパフォーマンス・マットミュート・チームにとっては、7位に終わったことは期待外れでした。当初、ポルシェのワークスドライバー、パトリック・ピレとレイモン・ナラック(ともにフランス)は、自分達のホームレースということもあって、優勝か2位になるだろうと思われていました。レース開始から30分経過した時点で、ピレはGT2クラスの先頭に踊り出て、1時間ほど首位をキープしていました。その後、リーツ/リーブ組がフランス人ペアを追い抜きましたが、その時点で2台の911 GT3 RSRは他のマシンに大差をつけていました。しかし中盤に差しかかる頃、フランス人ペアはサスペンショントラブルに見舞われ、修理のため14周遅れとなり、表彰台を逃す結果となりました。ピレは次のように話しています。「今回は残念な結果となりましたが、良い材料もあります。レイモンも私も、非常に速いタイムを着実に刻むことができました。私達の911は目の覚めるような走りを見せてくれたので、本来なら容易に表彰台に上がることができたでしょう。第2戦以降は良い結果が出せると思います」。

 グリッド12番手からスタートした常勝チームのベルギーのプロスピード・コンペティション・チームは、激しい展開の中、レース開始後2時間で姿を消し、LMSのデビュー戦をリタイヤという結果で終えました。スタートではFIA GT選手権のチャンピオンであるリチャード・ウエストブルック(イギリス)が果敢にプッシュし、レース開始から1時間後には8位に順位を上げ、ポルシェ ジュニアのマルコ・ホルツァー(ドイツ)にステアリングを譲りました。この若いドイツ人も、40台がひしめく激戦のレースでGT2クラス6位を走っていましたが、予定されていたピットストップの直前でガス欠となり、ピットレーン入口のわずか300メートル手前で止まってしまったのです。「調子が良かったので5位以内には入れていたでしょう」と、マルコ・ホルツァーは話しています。「しかし私たちはすでに次戦のスパを見据えています。この週末の経験を踏まえ、もっと良い結果が出せるでしょう」。

 ル・マン・シリーズ第1戦終了時点のポイントスタンディングスは、公式ウェブサイト(www.lemans-series.com)で発表されます。

レース結果 : ル・マン・シリーズ第1戦、ル・カストレ
GT2クラス
1. リーブ/リーツ組(ドイツ/オーストリア)、ポルシェ911 GT3 RSR、233周
2. リード/ラジンガー/ロング組(ドイツ/オーストリア/米国)、ポルシェ911 GT3 RSR、231周
3. フィジケラ/ヴィランダー/アレジ組(イタリア/フィンランド/フランス)、フェラーリF430 GT、231周
4. エーレット/クワイフ/カファー組(ドイツ/イギリス/ドイツ)、フェラーリF430 GT、231周
5. ペレス・コンパンク/ルッソ組(アルゼンチン/アルゼンチン)、フェラーリF430 GT、231周
6. ミュラー/ヴェルナー組(ドイツ/ドイツ)、BMW M3、225周
7. ピレ/ナラック組(フランス/フランス)、ポルシェ911 GT3 RSR、219周
8. コロネル/ダンブレック/ブリークモレン組(オランダ/イギリス/オランダ)、スパイカーC8ラビオレットGT2-R、215周

ル・マン・シリーズ第2戦は5月9日にベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されます。


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