走行時間が少なく、たくさんのドラマが生まれたロシアGP。最終ラップまで目が離せなかった53周を、ドライバーとチームの無線交信から振り返ろう。

・・・・・・・・・・

<スタート前>
フェリペ・マッサ←(チームからドライバーへ)「念のため言うが、ターン2の(コース復帰用ラインにあった)ボラード(ゴム製の杭)は撤去された」

<LAP1>
マックス・フェルスタッペン←「走り続けられそうか?」
→(ドライバーからチームへ)「スピンしたんだ。クルマが僕のほうにスピンしてきて何もできなかった」
←「クルマにダメージは?」
→「左リヤタイヤだ」
←「ボディワークは?」
→「何も見えないよ。左リヤのフロアがおかしいかもしれないけど、見えない」

<LAP4>
ニコ・ロズベルグ→「スロットルペダルが壊れている! 引っかかったら、どうすればいい?」
←「スロットルはブレーキプレッシャーで閉じる(設定になっている)から大丈夫だ」
→「ブレーキング時にスロットル開度ゼロになってる?」
←「いまのところ、なっていない。ターン9ではなっていたけど、ターン10ではなっていない」

<LAP7>
ニコ・ロズベルグ←「この状況に適応するしかない。何かやれることがわかったら伝える。スロットルとブレーキを、かなりオーバーラップさせたほうがベターだ」

ニコ・ロズベルグ←「まずはスイッチオフしてくれ。どこまでやれるかわからないが、スイッチオフしてスロットルをリカバリーしてみる」

<LAP10>
ルイス・ハミルトン←「さっきの周、ボッタスは1分42秒9、ギャップは2秒。燃料セーブも、うまくやりすぎているくらいだ。ギャップを広げるために、もう少し使っていいぞ」

ルイス・ハミルトン←「チームメイトはリタイアした。自分たちのレースに集中しよう」

ロマン・グロージャン←「他のソフトタイヤ勢と較べてもラップタイムはコンペティティブだ。いまは13位だが何が起きてもおかしくない」

<LAP12>
ルイス・ハミルトン←「ターン3の最後の箇所はデブリがあるから左側を走ってくれ」

<LAP13>
パストール・マルドナド←「(クラッシュした)ロマンは問題ない。自力でクルマから降りたよ」

<LAP14>
キミ・ライコネン←「グロージャンはマーブルに乗ったのかもしれないから注意しろ」

フェルナンド・アロンソ←「できれば、このまま最後まで走りたいが(タイヤ温存のために)ペースを抑えて走りたくはないから最速の走りで行こう」

ルイス・ハミルトン→「セーフティカーが遅すぎる。タイヤの温度をキープできないよ」
←「いま(チャーリー・ホワイティングと)話しているところだ。やれることをやってくれ」

<LAP15>
フェリペ・マッサ←「いま7位だ。ソフトタイヤで走っている中ではトップだ。レッドブルよりも速いよ」

<LAP16>
バルテリ・ボッタス←「前のハミルトンはセーフティカーのペースに文句を言っている。タイヤの温度が厳しそうだからリスタートに苦しむかもしれないぞ」

<LAP17>
キミ・ライコネン→「ストレートでスピードが全然ない。セブを先に行かせるのか? 行かせないのか? 行かせるよ!」

<LAP19>
カルロス・サインツJr.←「プッシュしつづけろ。素晴らしい仕事をしているぞ」

<LAP20>
マックス・フェルスタッペン→「もうタイヤのグリップが全然ない」

<LAP21>
バルテリ・ボッタス←「後ろはベッテルになって、ギャップを縮め始めた。彼のほうが少しペースが速い。タイヤのフィードバックをしてくれ」
→「安定しているけど、感覚としては、もうすぐ落ちるかもしれない」

<LAP25>
フェルナンド・アロンソ←「ターン16のエイペックスをカットしているとFIAから警告を受けた。注意してくれ」

<LAP26>
バルテリ・ボッタス←「いいぞ、そのまま走り続けろ」
→「もうタイヤが終わりつつある」
←「フロントウイングのアジャストは必要か?」
→「いらないよ」

<LAP28>
セバスチャン・ベッテル←「相手(ピットアウトしたボッタス)はトラフィックに苦しんでいる。このまま行け。このレースの、とても重要な場面だ」

<LAP29>
キミ・ライコネン←「プッシュし続けろ、まだ表彰台は可能だ」

<LAP30>
ジェンソン・バトン←「タイヤは、どう? どちらのコンパウンドが好みだ?」
→「(交換するとしたら)このタイヤ(ソフト)と同じでいいよ。でも、まだ全然大丈夫だよ」

<LAP31>
キミ・ライコネン←「ベッテルが、この周ピットインする。次の周に入れるから、できるだけプッシュしろ」

ルイス・ハミルトン←「ベッテルがピットインした。我々はあと2周走る」
→「OK」

<LAP33>
ダニール・クビアト←「ピットインだ。クリーンなストップができれば、出口でバトンとの争いになる」

フェルナンド・アロンソ←「後ろのマッサと最後まで戦うぞ」
→「そのユーモアセンス、好きだよ」
←「面白いトライができるかもしれないだろ?」

<LAP39>
ダニエル・リカルド←「後ろの2台がDRS圏内に入ってきたぞ」

<LAP40>
ダニエル・リカルド←「いま4位だ、とてもうまくやっている。まわりは、もう誰もピットストップしない」

<LAP44>
バルテリ・ボッタス←「残り9周、前のペレスも苦しんでいる。まだ表彰台は可能だぞ」

<LAP45>
バルテリ・ボッタス←「(リカルドを抜いて)素晴らしい走りだ! 前のペレスはフロントタイヤに苦しんでいる。捕まえろ」

<LAP50>
セバスチャン・ベッテル→「OK、コースはクリアになった。勇敢なロシアのマーシャルが(デブリを拾うために)コースを横切ったよ」

ダニエル・リカルド→「何かが壊れた。サスペンションかフロントウイングだ」
←「OK、クルマを右側のオフラインに止めてくれ」

<LAP51>
ルイス・ハミルトン←「残り3周、リヤウイングのパフォーマンス低下に気をつけろ」
→「感じてるよ」
←「DRSを使わないことを勧める」

<LAP52>
バルテリ・ボッタス←「モード1。1周だけモード1を使っていいぞ」

<LAP53>
バルテリ・ボッタス←「(ペレスを抜いて)素晴らしい! あと1周このモードのまま行っていいぞ」

バルテリ・ボッタス→「(ライコネンと接触して)彼は何をやってるんだ!」
←「エンジンを切ってくれ」

<チェッカー>
ルイス・ハミルトン←「よくやった、すばらしいマネージメントだ」
→「クルマはすばらしかった。このチームの一員であることを光栄に思うよ。コンストラクターズは獲れた?」
←「まだだ」(その後、ライコネンの降格によりコンストタクターズ王座が決定)

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