アウディスポーツは15日、ル・マン24時間勝利を狙うディーゼルプロト“R15プラス”と呼ばれる2010年型アウディR15 TDIを公開した。3月2日にドイツでシェイクダウンが行われ、その後アメリカで2週間集中テストが行われるという。
今回公開された2010年型R15 TDIは写真が1枚しか公開されていないが、昨年型のR15 TDIに比べるとノーズがスプリットされているほか、サイドのエラ状のフィンが姿を消すなど、外観上からも進化が見て取れる。
「アウディは、市販車と関連するテクノロジーにより、スポーツカーカテゴリーがF1に取って代わる最高峰のモータースポーツカテゴリーになると考えている」と語るアウディスポーツ代表のヴォルフガング・ウルリッヒ。
R15 TDIの改良に当たったアウディスポーツのマーティン・ミュールマイヤー博士は「ル・マンにおいて、最も重要なのは効率だ。市販車でもそれは同様で、今回、R15 TDIを進化させるにあたり、最も重要視したのは空力効率の向上を焦点とした。今季、ル・マンではディーゼル車両に対するリストリクターが小さくなったが、パワーの縮小により、マシンの空力効率を上げる努力をした。11月下旬に発表されたレギュレーション変更によりエンジニアたちは厳しい仕事を強いられたが、cd値とダウンフォースの向上に成功した」とマシンの改良点について語る。
「そして完成した“R15 プラス”は、特徴的な分割されたノーズを持っている。すべてのボディワークは効率的に修正され、冷却システム、燃料タンクも変更を受けた。TDI V10エンジンも小さくなったリストリクターと過給圧に最適化されている」
この“R15プラス”は3月にドイツにあるアウディのテストコース、ヌースタッドでシェイクダウンされた後、アメリカに送られ2週間のテストが実施されるという。本番となるル・マン24時間の前にル・マン・シリーズのポール・リカール8時間、スパ1000kmにテスト参戦する。
また、今季からアウディスポーツの新たなパートナーとしてタグホイヤーが就いたことが発表された。
