WEC世界耐久選手権に参戦しているアウディが、今季投入する新たなR18 e-トロン・クワトロに採用するとしていた熱エネルギー回生システム(ERS-H)の搭載を見合わせ、当面は運動エネルギー回生システム(ERS-K)のみでシリーズに参戦することになりそうだとWEC公式サイトが伝えている。
LMP1クラスの新たな車両規則の導入に伴って、アウディは今季に向けて新たなR18 e-トロン・クワトロを開発。昨年までと同じくフライホイールを利用したフロントのERS-Kに加えて、今季のF1で採用されているものと同様のERS-Hを搭載すると発表していた。
ここ2週間はポルシェとともにアメリカのセブリング・インターナショナル・レースウェイやサーキット・オブ・ジ・アメリカズでテストを行ってきたアウディだが、当面はERS-Hを搭載しないことを決定したという。
WEC公式サイトによると、アウディスポーツを率いるヴォルフガング・ウルリッヒが、フライホイールによるERS-Kのみを採用するだろうとAustin American-Statesman紙に語っている。
「我々はそれ(ERS-H)にかなりの作業量を費やした。ただ、実際のサーキットで我々が予想していた成果を生み出さなかったんだ。我々が望む利益なしにそれを使うことのリスクに加えて、信頼性にも疑問があった。だから、我々はその選択をしたくなかったんだ」
アウディは、R18 e-トロン・クワトロのカラーリングや技術的な詳細を、3月25日にフランスのル・マン市内で発表することを明らかにしている。