今年で第1回大会の開催から、90周年を迎える世界最大規模のスポーツカー耐久レース、ル・マン24時間が、6月22日(土)の現地時間15時(日本時間22時)にスタートを迎える。
F1モナコGP、アメリカのインディ500と並び“世界三大レース”と称されるル・マン24時間。今年も2日間の予選日から、ヨーロッパ中のみならず世界中からファンが訪れ、決勝日を前にサルト・サーキット周辺には多数のテントが立ち並び、ビールを片手にスタートを待っている状況だ。
そんな今年のル・マンは、昨年に引き続きアウディvsトヨタというハイブリッド搭載マシンによる対決構図となっている。2012年のル・マンでは、2台のハイブリッド車“アウディR18 e-トロン・クワトロ”を投入したアウディが表彰台を独占。一方のトヨタ勢は、スタートからトップを争い、開始5時間後にはトップを奪うも、夜を迎えるとともにクラッシュ、トラブルによりリタイアを喫した。
その後のWEC世界耐久選手権ではトヨタが逆襲、多くの勝利を奪ったが、迎えた2013年のWECでは、開幕からアウディ勢が2戦連続優勝を飾った。昨年は燃費ではアウディ優勢、トヨタが速さで勝っていたが、アウディはその燃費の優位性をパワーに振り分け、速さで有利に立っている。
6月19日〜20日に行われたプラクティス、予選1〜3回目でも、アウディ勢が速さで優位に立ち、3番手までのグリッドを占めた。一方のトヨタ勢は、プラクティスから決勝レースに集中して作業を進めている感が強い。今回、トヨタは燃料タンク容量が3リットル増やされており、1スティントで走れる距離がアウディよりも長いと予想されている。この積み重ねが、24時間経過した後にどう違いを生み出すのか。
また、アウディvsトヨタの対決に沸くLMP1クラス以外にも見どころは多い。フェラーリ、ポルシェ、アストンマーチン、シボレー、クライスラー/SRTという5メーカー直系のチームが激突するLM-GTEプロクラスも、予選から接戦が展開されているが、アストンマーチンがひとつ抜けている印象だ。
今回のレースには、4人の日本人ドライバーが参戦する。総合優勝を狙う7号車トヨタTS030ハイブリッドを駆る中嶋一貴、25号車オレカ・ニッサンを駆る中野信治、28号車ローラ・ニッサンをドライブする井原慶子、そして71号車フェラーリを駆る小林可夢偉だ。また、アウディ勢を駆るアンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエ、ロイック・デュバル、オレカ・ニッサンを駆るミハエル・クルムなど、近年日本を主戦場に戦ってきたドライバーが、ル・マンで大活躍している。
決勝レースは現地時間15時(日本時間22時)にスタートする。日本ではJ SPORTSでテレビ中継を楽しむことが可能だ。なお、今週のル・マンはずっと不安定な天候となっており、今日もウォームアップ走行後、急に雨が降り出した。天候がレースにどういった影響を及ぼすかも気になるところだ。