ニッサンは2014年のル・マン24時間に、環境技術を志向した特別枠“ガレージ#56”から参戦する電気レーシングカー『ニッサンZEOD RC』のレースドライバーとして、ルーカス・オルドネスを起用すると発表した。
ZEOD RCは、電気自動車のリーフをベースとしたレーシングカー、LEAF NISMO RCの開発を通じて蓄積した技術を活用。ル・マン24時間の舞台であるサルト・サーキットを電力だけで1周走行できる技術を備える。電気駆動を支える回生装置を備え、ドライバーがマシンに搭載された電力駆動と1.5リッター3気筒直噴ターボエンジンの駆動を切り替えることが可能。EVモードで1周走行した後、エンジン駆動に切り替え回生を行い蓄電、再びEVモードで戦うことができる。
すでにテストドライバーとしての起用が明らかにされていたオルドネスは、プレイステーションの“リアルドライビングシミュレーター”グランツーリスモと、ニッサンが協力して進めたドライバー発掘プログラム『GTアカデミー』の最初の卒業生。ル・マンではLMP2クラスの表彰台を複数回獲得している。
「GTアカデミーの最初の卒業生であるルーカスは、その才能をLMP2やGT3、スーパーGTやV8スーパーカーでも証明してきた。彼の適応力が、レースドライバーとしての起用の決め手となった」と語るのは、ニッサンのグローバル・モータースポーツダイレクターのダレン・コックス。
「ZEOD RCはユニークで、これまでと大きく異なる。ドライバーはこれまでとまったく異なる経験が必要になるだろう。ル・マンに参戦する3人のドライバーは、多くの才能をもち、学ぼうとする向上心が必要だ」
昨年はブランパン耐久シリーズやスーパーGTにスポット参戦するなど、すでにニッサンのグローバル活動のひとりとして活躍している“ゲーマー出身”のオルドネスは、電気レーシングカーでのサルト・サーキットの走行を楽しみにしていると語る。
「本当に楽しみだよ。ニッサンにとってもレーシングドライバーの自分にとっても実にチャレンジングなプロジェクトだからね。電気自動車で時速300km以上でル・マンを走る最初の機会をもらえるんだ。テストを始め、電気の力でル・マンを走る日が待ち遠しい」とオルドネス。
「開発のプロセスは実に複雑だ。誰もこんなテクノロジーに挑戦したことがないんだからね。とても大きな挑戦だけど、ニッサンにとっても栄光のプロジェクトだと思う。彼らは簡単な方法は選ばないからね!」
「僕がミュルサンヌのストレートを300km/h以上のスピードで走っていた時、今まではニッサンLMP2エンジンのすごい音がしていた。でも、今回はとても静かなはずだ。エキサイティングだし、奇妙にも感じるだろうね」
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