第81回ル・マン24時間耐久レースで優勝を飾った2号車アウディR18 e-トロン・クワトロのトム・クリステンセンは、レース後、決勝レース3周目にクラッシュして亡くなったアラン・シモンセンと、自身の父親にこの勝利を捧げたいと語った。
22日にスタートが切られたル・マン24時間では、スタート直後の3周目、LM-GTEアマクラスの首位を走行していたシモンセンのアストンマーチン・バンテージGTEが、テルトルルージュで突然姿勢を乱しクラッシュ。致命傷を負い、救急処置の甲斐無く亡くなった。
その後、クリステンセンが乗り込んだ2号車アウディは、1号車アウディの脱落もありトップに浮上。クリステンセンはアラン・マクニッシュ、ロイック・デュバルとともに自身通算9度目のル・マン総合優勝を飾った。
クリステンセンはレース後、「個人的なことを言わせてもらえば、僕たちはこのレースで、控えめで素敵な、そして同じ夢を共有した友人を失ったんだ」と同じデンマーク出身のドライバー、シモンセンの死を悼んだ。
「すごく複雑な心境だ。僕の父が今年3月に亡くなったんだけど、父は僕に、『今年お前はル・マンに勝てる』と言ってくれた。そして僕はまた新たな勝利を重ねることができたんだ。この勝利を父と、アラン・シモンセンに捧げたい」
ともに2号車アウディをドライブしたデュバルも、クリステンセンの意見に同調した。
「勝利を飾ることができたのは素晴らしいことだよ。でも、僕たちはこの週末、大事な人を失った。これは忘れてはいけないことなんだ」