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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.11.29 00:00
更新日: 2018.02.15 23:56

クルム&GT-Rが6位「ポディウムを目指していただけに残念」


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酷暑のGT1インテルラゴスで#23 NISSAN GT-Rが6位フィニッシュ
— FIA GT1世界選手権第9戦(ブラジル)レースレポート —
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11月29日 インテルラゴス・サーキット (ブラジル)

 FIA GT1世界選手権第9戦は11月27日、ブラジル南部・サンパウロにあるインテルラゴス・サーキットで、決勝となるチャンピオンシップレースが行われた。晴天に恵まれたこの日、照りつけるブラジルの日差しは、レースにも大きな影響を与えた。急上昇した気温に対し、各チームはタイヤマネジメントに苦戦。予選レースを2位で通過したSumo Power GTのピーター・ダンブレック(英国)/ミハエル・クルム(ドイツ)組は、前日同様の結果を出すことはできなかったが、それでもこの厳しいレースを6位でフィニッシュした。Swiss Racing Teamの荒聖治/マックス・ニルソン(スウェーデン)組は16位、カール・ヴェンドリンガー(オーストリア)/ヘンリ・モサー(スイス)組は18位だった。Sumo Power GTのチームメイトは、レース中盤でリタイアとなった。

 ダンブレックは2番グリッドからいいスタートを決め、ポールポジションからスタートしたアストンマーチンの後ろにつけた。ダンブレックは、2位のままピットインして、#23 NISSAN GT-Rのステアリングをクルムに託す。しかしトップ勢では、このピットストップのわずかな秒差が、その後の流れを決定づけた。ピットストップを順調に終えたクルムだったが、ピットアウトのスタートがわずかに詰まり、これで5位に後退してしまった。トップ勢のペースには追従したクルムだったがパスのチャンスには恵まれず、さらに最終ラップのフォードGTの強引な追い越しにより、6位フィニッシュとなった。

 #4 NISSAN GT-Rの荒は、慎重にスタート。マシンが入り乱れて混乱することが多い中盤スタートのため、接触を避け安全策を取った。ここで順位は下がったが、荒は自身のスティントの間にもとに戻した。しかし、ニルソンに交替するためのピットイン時、ピットレーンでのブレーキがわずかに遅れたため速度違反を取られ、ドライブスルーペナルティが科されてしまった。交替したニルソンは、16位でフィニッシュした。

 ヴェンドリンガーも混乱を避けて、堅実にスタート。スティント中は混雑に見舞われながらも、積極的な走りを見せた。後半、交替したモサーは前方がクリアになったことで、トップ陣と同等の好タイムもマーク。18位でレースを終えた。

 Sumo Power GTの#22 NISSAN GT-Rにとっては、厳しいレースとなった。スタートでは、ジェイミー・キャンベル・ウォルター(英国)が、前日から抱えていたマシンバランスに苦戦している間にサイドに押し出されてしまい、順位を下げてしまった。交替したウォレン・ヒューズ(英国)が挽回目指して挑んだが、原因不明のバイブレーションが発生し、リタイアとなった。

 NISSAN のGT1チーム陣はこの後、今季最終戦が行われるアルゼンチンへと向かう。Sumo Power GTは、チームズ選手権では4位に後退してしまったがポイントは僅差で、2位浮上にも大きな可能性を残している。

#23 GT-Rドライバー ピーター・ダンブレック
「自分のスタートには、とても満足しています。1コーナーでヒットされましたが、影響はありませんでした。首位につけていたアストンマーチンといい競り合いをして、引き離そうとされてもすぐに追いついていました。マイケル(・クルム)は僕よりも走行が長かったので、ピットアウトで順位が下がったこともあり、展開としては厳しい状況でした。残念ながら、今回は我々に運がなかったということです。過酷なレースになるということは分かっていましたが、これほどまでにタフだとは想像しませんでした」

同 ミハエル・クルム
「期待通りのポイントを獲得することができず、残念です。ポディウムフィニッシュで高ポイントをマークしたかったのですが、今日は少しだけ速さが足りませんでした。アルゼンチンに向けて、全力で努力していかなくてはなりません」

#3 GT-Rドライバー カール・ヴェンドリンガー
「マシンは調子がよく、安定があってバランスがよかったですね。1周目で順位を下げましたが、安全策でした。かなり強引なマシンもいたので、マシンを労るために肩の力を抜きました。予選のタイヤをそのまま使ったのですが、とてもいい具合でした」

#4 GT-Rドライバー 荒聖治
「スタートはかなり混乱したので、クラッシュを避けるために後退しました。1台抜くことができましたし、NISSAN GT-Rはとても調子がよかった。最後の5周辺りでは少しオーバーステア気味になりましたが、それ以外は問題ありませんでした。ピットストップに入るときにブレーキがほんの少し遅れ、このためにドライブスルーペナルティを受けてしまいました」


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