ケータハムF1チームのリザーブドライバーを務めるアレクサンダー・ロッシが、今年のル・マン24時間で、グリーブス・モータースポーツのザイテックZ11SN・ニッサンをドライブすることになった。このロッシが乗り込むザイテックは、ケータハムカラーに彩られることになる。
今回ロッシを走らせるのは、ル・マン24時間/WEC世界耐久選手権に1台、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスに1台をエントリーしているグリーブス・モータースポーツで、ロッシはル・マンで3度のクラス優勝を飾ったトーマス-キンバー・スミスと、過去にALMSアメリカン・ル・マン・シリーズので、LMPCクラスでタイトルを獲得しているエリック・ラックスのふたりとチームを組むことになる。
グリーブス・モータースポーツではもう1台ル・マン24時間にエントリーしているが、こちらはニッサンのバックアップの下、ニッサンGTアカデミー出身のヤン・マルデンボロとルーカス・オルドネスに、ニッサンワークスドライバーのミハエル・クルムが組む。
ロッシは家庭とビジネスの都合で参戦できなくなったジェントルマンドライバー、クリスチャン・ズゲルに代わって初のLMP2に挑むことになるが、チームを率いるティム・グリーブスは、ロッシを起用するのにあわせ、これまでホワイト&レッドだったマシンのカラーリングが、ケータハムカラーになると語った。
「我々は、F1チームの支援を受ける最初のLMP2チームになる。マシンはケータハムカラーのブリティッシュ・レーシンググリーンとホワイト&イエローで彩られることになるだろう。トムとエリックに加わるアレクサンダーは、才能溢れるドライバーだ。我々はチーム50戦目となる耐久レースに向けて、ふたつの強力なドライバーラインナップを揃えることができた」
今回のケータハムとの契約が今後のWEC、およびELMSでも継続されるかどうかについてグリーブスは明らかにしなかったが、この契約によって、2011年に合弁でソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ケータハムを設立したルノー/アルピーヌとケータハムの2ブランドが、今年のル・マンでは同じカテゴリーで争うことになった。
両社は2016年に向けて、それぞれのブランドで新型の市販車をリリースすることになっている。アルピーヌは今季、アルピーヌブランドをオレカ03・ニッサンに冠し、アルピーヌA450として昨年までLMP2のトップチームだったシグナテックのオペレーションでELMSを戦っており、今回のケータハムの動きは、それと同様のものになる。
現在LMP2クラスで多数のチームがニッサンVK45エンジンを搭載しており、その中でも昨年まではセミワークス格としてシグナテック、グリーブスという2チームが存在していた。今季はそこにデルタADRが加わったが、シグナテックはアルピーヌ、グリーブスはケータハム、そしてデルタADRはニッサンと、それぞれブランドを使い分けていくことになりそうだ。