WEC世界耐久選手権第6戦富士で、母国レースでひさびさの2台体制を復活させたトヨタ・レーシングは、予選ポールポジションこそ1号車アウディR18 e-トロン・クワトロに譲ったが、2番手、3番手を占めた。
WEC第3戦ル・マン24時間以降のサンパウロ、オースティンを8号車の1台体制で戦ったトヨタは、母国富士でのレースでアレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組7号車を復活させ、ひさびさの2台体制で戦っている。
迎えた19日の予選では、ふたりのドライバーのベストタイム2周の平均でグリッドが決まるが、7号車は中嶋一貴が2周でアタックを終えた後、ラピエールにバトンタッチ。ラピエールは一時ダンロップコーナーでコースアウトしたが、予選3番手を獲得した。
一方、8号車はセバスチャン・ブエミがアタックした後、アンソニー・デイビッドソンに交代。2台のアウディ勢が早々にアタックを終えた後も、デイビッドソンがプッシュを続けたが、1号車アウディには及ばず。フロントロウ2番手となった。
「良い予選だったと思います。TS030ハイブリッドは非常に戦闘力が高く、ラップタイムは満足のいくものでした。我々2台のTS030ハイブリッドだけでなく、ポールポジションのアウディとのタイム差もほんのわずかです」と予選後の一貴。
「今日の結果は今年最高の出来だと思います。レースは去年と同じように非常に接近したものになると思いますが、これから明日に向けて万全の準備をし、好成績を挙げる自信は十分にあります」
8号車をドライブしたデイビッドソンは、トヨタの母国レースでポールポジションを逃したことを悔しがりながらも、明日の決勝に向け、TS030ハイブリッドが「ほぼ完璧に仕上がった」と自信をみせた。
「トヨタの母国レースでほんのわずかに及ばずポールポジションを逃し、少し悔しいね」とデイビッドソン。
「しかし、今回の予選は今季最高の接近戦だった。その点においても、TS030ハイブリッドの仕上がり具合においてもすごく満足しているよ。セットアップは細かな点まで詰めて、ほぼ完璧に仕上がった。バランスに関しては今年一番だよ」
「明日、天気が良ければ素晴らしいレースをお見せすることができると思うけど、雨になったらどうなるのかは誰にも分からないね」