WEC世界耐久選手権に参戦するトヨタ・レーシングは26日、第4戦サンパウロ、第5戦オースティンの参戦体制を発表した。2014年車両の開発にリソースを活用するため、この2戦は8号車トヨタTS030ハイブリッドのみの参戦にすると明らかにした。
2012年から日本で開発したハイブリッドシステムと、過去にF1活動を担っていたトヨタ・モータースポーツGmbHが開発したシャシーを組み合わせたTS030ハイブリッドでル・マン24時間をはじめとしたWECに参戦しているトヨタ。昨年後半戦は多くの勝利を重ねたものの、ライバルのアウディに対し予算がかなり少ないと言われており、今季はアウディに対し劣勢を強いられている。
そんな中、今季は開幕戦シルバーストンから2台体制で参戦していたトヨタは、開幕は2台の2012年仕様で参戦。第2戦スパは1台を13年仕様にスイッチ。第3戦ル・マン24時間では13年仕様を2台揃え、アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン組8号車が2位を獲得していた。
しかしトヨタは26日、続く第4戦サンパウロ、第5戦オースティンでは、チームがもつリソースを最も効率的に活用するため、2013年の活動と、2014年規定新型車両開発を同時に進行。8号車の1台体制に絞ると明らかにした。
一方、アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組7号車のクルーは、2014年新型車両の開発テストとシミュレーションに専念するという。WECの2013年シーズンは第5戦オースティン以降、第6戦富士、第7戦上海、第8戦バーレーンと続いていくが、トヨタ・レーシングは第6戦以降の参戦体制については今後発表するとしている。
今季のWECでは、LMP1クラスのプライベートトロフィーを争うレベリオン・レーシングも、オリジナルの14年仕様マシンを開発するため、ALMSでの活動を減らしたほか、WECでの活動も1台に絞る予定となっている。また、HPD ARX-03c・ホンダで参戦していたストラッカ・レーシングも参戦を休止した。これらの参戦チームの決定により、第4戦以降のLMP1クラスはアウディ2台、トヨタ1台、レベリオン1台の計4台で争われることになりそうだ。