TGR WECチームのメンバー、シュテファン・ライシェルは人気者だ。ドライバーやマネージメントなど、多くのスタッフがピット裏で次々と気軽に彼に声をかけ、ライシェルも笑顔で応える。ムードメーカーでもある彼の、チームでの役割はトラッキー=トラック運転手である。
「もともとは15年間トラックメカニックとして働いていたんだ。自分で運転しながら整備やメンテナンスもしてたんだけど、ある時家の近くのニュルブルクリンク(サーキット)で、レースの仕事を手伝うことになってね。最初は週末だけだったけど、もとからモータースポーツが好きだったから、その後フルタイムでレースの仕事をするようになったんだ」
