今年で第41回目を迎えたニュルブルクリンク24時間耐久レースは20日、途中9時間におよぶ雨天中断を経てチェッカーを迎え、ベルント・シュナイダー/ジェローム・ブリークモレン/シーン・エドワーズ/ニッキー・ティーム組ブラックファルコン・レーシングの9号車メルセデスベンツSLS AMG GT3が優勝を飾った。
21万人のファンを集め5月19日の17時にスタートした決勝レース。序盤はポールシッターのミハエル・アマーミューラー組フェニックス・レーシングの4号車アウディR8 LMSウルトラがリードを守っていたが、マシントラブルのために後退。代わってダレン・ターナー組の007号車アストンマーチンV12バンテージGT3がトップに立った。
しかし、スタートから4時間が経過する頃から雨が落ちはじめ、やがてまとまった雨に。コースの雨量が増え場所によっては霧のために視界不良となったことから、すっかり暗くなった22時44分にレースは赤旗中断となった。これは濃霧のためにレースが中断となった2007年以来の6年ぶりのこと。
翌朝、9時間もの中断を経て弱い雨の降る8時にレースは再開。ここでダンロップタイヤを装着する車両が躍進し、再開時に13位だったシュナイダー組9号車メルセデスが昼の12時ごろにはついにトップに躍り出た。
マンタイ・レーシングのポルシェやフェニックスのアウディらミシュラン勢が苦戦する中、同じミシュランユーザーであるマキシム・マルタン組マルクVDSの25号車BMW Z4 GT3が鋭い走りをみせて順位をアップ。レース終盤、トップ3を独占していたメルセデス勢の中に割り入り、終盤に2位までポジションアップしてゴール。メルセデスの表彰台を阻止する意地を見せた。
3位に入ったのは22号車メルセデスベンツSLS AMG GT3で、トップ9までをドイツのFIA GT3マシンが独占する結果となった。
日本勢では、STIが走らせる吉田寿博/佐々木孝太/マルセル・ラッセー/カルロ・バンダム組120号車スバルWRX STIが、終盤SP3TクラストップのアウディTT RSを54秒差まで追い上げるも届かず3連覇ならず総合28位/クラス2位に。GAZOO RACINGは、影山正彦/石浦宏明/大嶋和也/モリゾウ組レクサスLFAが“モリゾウ”こと豊田章男トヨタ社長がチェッカーを受けて、総合37位/SP8クラス2位。木下隆之/佐藤久実/矢吹久/平田泰男組トヨタ86も総合64位/SP3クラス2位となった。
密山祥吾と横溝直輝、水谷昇作のBMW M3は最後尾近くから追い上げV6クラス8位(総合106位)、桂伸一のドライブした水素ガスとガソリンのハイブリッド、アストンマーチン・ラピードSは、E1-XP2クラス優勝(総合114位)。予選で光る走りをみせた山内一典/ミハエル・シュルツ/トビアス・シュルツ/ミハエル・クルム組ニッサンGT-R ニスモGT3はマシントラブルもあり、GT3-SP9クラス22位(総合136位)だった。