2010年から2012年まで開催されていたFIA-GT1世界選手権に参戦し、多くの勝ち星を挙げたフランスのヘクシス・レーシングが、11月に開催されるアゼルバイジャンの首都バクーでのFIA-GTシリーズ最終戦の後、解散する可能性が高いという。
フランスGTやADAC GTマスターズを経て、アストンマーチンの主要チームとして2010年からFIA-GT1世界選手権に参戦したヘクシス・レーシングは、ステフ・デュッセルドルフやクリビオ・ピッチオーネ、フレデリック・マコウィッキらを擁し多くの勝ち星を挙げ、シリーズがGT3規定にスイッチしてからはマクラーレンMP4-12C GT3を導入。タイトルを争った。
そんなヘクシス・レーシングは今季ブランパン耐久シリーズとフランスGTに参戦していたが、親会社でラッピングフィルムや健康器具、エナジードリンクなどを幅広く手がけるヘクシス・グループは、今後チームに活動費を供給しないことに決めたという。
ヘクシス・レーシングのチームマネージャーを務めるフィリップ・デュマは「ヘクシス・グループは多くの事業を手がけており、たくさんの投資を行っている。つまり、レースにつぎ込む資金まで手が回らないということだ」と語る。
「チームは売却に出されているので、これがストーリーの終わりではないかもしれない。別の投資家がやって来ればチームは活動を続けられるかもしれないが、我々の望みはプロドライバーを擁してハイレベルの競争をしたいだけなんだ」
デュマはまた、10月27日にポールリカールで最終戦が行われたフランスGTでチームの活動を終えることを望まなかったことが、バクー戦への参戦の動機だったと語っている。
「我々の成功は、国際的なシリーズで得られたものだ。もしストーリーが結末を迎えるのならば、大きなレースで終えたいと思っているんだ」
チームはバクー戦にマクラーレンのファクトリードライバー、ロブ・ベルを起用。チームメイトとして、ポルシェカレラカップ・ジャーマニーとスーパーカップで上位を争うケビン・エストーレの起用を決めた。
「ケビンはテストで、我々の予想以上のパフォーマンスをみせてくれた。我々はバクー戦でライバルたちに警告しておくよ。素晴らしい才能がロブと組むことになるとね!」とデュマは語っている。