フランスのスポーツカー界のレジェンド、アンリ・ペスカローロ率いるペスカローロ・チームの会社組織が、フランス当局によって精算されることになった。ただ、ペスカローロ自身はまだ来季のル・マン24時間に向けた模索を行っているという。
2000年代のスポーツカーレースで最も活躍したプライベーターとも言えるペスカローロは、00年代当時のペスカローロ・スポーツから、最終的にペスカローロ・チームと名を変え活動を継続していたが、6ヶ月間に渡る法的な保護の後、フランスの法廷によって整理されることになった。
チームは6月のル・マン24時間で、アストンマーチンAMR-Oneを改良したペスカローロ03と、童夢とのタッグで参戦した童夢S102.5を投入したが、両者ともリタイアを喫していた。さらに、チームはその後のWEC世界耐久選手権への参戦を打ち切り活動を停止していたが、その間にチームは救済プランを法廷に示す必要に迫られていたという。
「新しいスポンサーや投資家を見つけるのにはいいタイミングではなかった。私には、法廷に示す現実的なソリューションはなかったんだ」と語るアンリ・ペスカローロ。
「このことによって、ペスカローロ・チームは会社として存在はしなくなったことを意味する。しかし、私が望めばレースを続けることができるんだ。私はまだワークショップを所有しており、(保護期間の間政府により給与が支払われた)すべてのメカニックが活動することができるんだ」とペスカローロは今後のレース活動を模索していると語る。
さらにペスカローロは、別のエントラントとの協力により、今年のル・マン24時間への参戦を実現する可能性を明らかにした。
「ル・マンに関わり、彼らのマシンを走らせたいふたつのプロジェクトと協議をしている。私の名の下にはならないが、彼らのプロジェクトに携わるとともに、彼らが我々のワークショップとメカニックを使う予定なんだ」
ペスカローロはまた、自身の名を冠したチームの再開を2014年に目指すこと、ただその状況は経済情勢によることを明らかにしつつ、新しいLMP1レギュレーションが、プライベーターでもワークスと戦う機会を提供するだろうと言う。
「すべては昨日起こったばかりなんだ。だからまだ何も決定していない」と70歳のペスカローロは、今後の決定について、数週間の時間を要すると語っている。
「これで終わりにするにしろ、レースを続けるにしろ、決断をしなければならないんだ」