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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2011.06.27 00:00
更新日: 2018.02.16 03:16

ポルシェ、ニュル24時間を制圧。6年間で5勝


プレスインフォメーション\t2011年6月26日

ニュルブルクリンク24時間レースレポート

ポルシェがノルドシュライフを制圧

 ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のワークスドライバー、マーク・リープ(ドイツ)、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)、ロマン・デュマ(フランス)とルーカス・ルール(スイス)の4人がドライブするポルシェ911 GT3 RSR は第39回ニュルブルクリンク24時間レースにおいてBMW、メルセデス、アウディなどの強豪を退け、総合優勝を果たしました。ポルシェとチーム マンタイ、そしてティモ・ベルンハルトにとって伝統あるアイフェルの耐久レースでの優勝は6年間で5度目となります。

 22万人にもおよぶ大観衆が見守る中、もっともエキサイティングでドラマチックな24時間がニュルブルクリンクで繰り広げられました。

 世界的な成功を収めているGTレーシングマシン、911 GT3 RSRをドライブするポルシェのカルテットは土曜日の23時25分にトップに立ったあと、その座を明け渡す事無くチェッカーを迎えました。16時間35分間、実に108周に渡ってライバルからのプレッシャーを受けながらもレースをリードし、911 GT3 RSRの信頼性とドライバーたちの確かなスキルを改めて証明したのです。ニュルブルクリンク24時間レースにおいて新記録となる156周、3,958,968kmはチーム一丸でレースに挑んだ結晶です。

 ティモ・ベルンハルトは勝因について「我々が優勝するためには、ドライバーからメカニックに至るまでチーム全員が力をあわせる必要があるのはスタートの前から分かっていました」と語りました。唯一のトラブルであり最大のピンチはピットストップ中に起こりました。「ピットストップの際、不思議なことにポンプが作動せず、給油をすることができなかったのです。そのため、我々は車を押して他のポンプの前まで移動したため、1分ほどロスしてしまいました」とルーカス・ルールは振り返ります。

 911GT3R ハイブリッドも2度目の出場となる24時間耐久レースにおいて印象的なパフォーマンスを見せつけましたが、結果には結びつきませんでした。ポルシェ マンタイチームとしてポルシェのワークスドライバー、ヨルグ・ベルクマイスター(ドイツ)、リヒャルド・リーツ(オーストリア)、マルコ・ホルツァー(フランス)、パトリック・ロング(アメリカ)は革新的テクノロジーを搭載したレーシングカーを駆り、トップから17周遅れの28位で見事完走を果たしました。911 GT3R ハイブリッドはレース開始から4時間後にはトップに立ち、そのポテンシャルを披露しました。しかしディファレンシャルのフランジが壊れ、その修復により6周の遅れを喫したのです。
トラブルは続きます。その後の7時間は順調に進みましたが再び予定外のピットストップを余儀なくされ40分間、ピットでの修復作業が続きました。レースに復帰した時はトップから10周遅れ、105位まで順位を落としていました。しかしながらGT3Rハイブリッドのラップタイムは時に上位陣をしのぎ、レース全体でも23番目のベストラップを記録しました。追撃態勢に入った日曜の朝、またもやトラブルが彼らを襲いました。パトリック・ロングがハイスピードコーナーでバックマーカーをかわす際、接触/スピンを喫しピットに戻る必要が生じたのです。幸いにも車にダメージは見当たらなかったのですが、ここでもタイムをロスすることになりました。

 ポルシェ ワークスドライバー、ウォルフ・ヘンツラー(ドイツ)は、ピーター・ダンブレック(イギリス)、マルティン・ラジンガー(オーストリア)、セバスチャン・アッシュ(ドイツ)とともにファルケン モータースポーツの911 GT3 Rをドライブしました。スタート時にインターメディエイト タイヤを選択したヘンツラーは快走を見せましたが、2周目が終わる頃には雨がやみスリックタイヤへの履き替えを余儀なくされました。さらにレース開始から6時間が経過した頃、エンジンの積み替えを行いチームは勝利の機会を奪われたのです。49位でゴールしたファルケンのGT3 Rのラップタイムは素晴らしいものでしたが、修理に多大な時間を要したことが唯一の敗因でした。ヘンツラーは「トラブルが続きストレスが堪るレースでした。それでもチームのモチベーションは高く、戦う姿勢を持ち続けました。このニュルブルクリンクでの経験はチームにとって今後の大きな財産になるでしょう」とコメントしています。

 同じくマンタイからエントリーしていた911 GT3 Rはレース序盤の難しい状況下でも順調にラップを重ねていましたが、スタートから2時間後にレースから退く決断しました。チームは1台に集中するため、GT3 RSRとまったく同じドライバー4人でエントリーしていたGT3 Rをリタイヤさせたのです。この戦略は見事に的中し、ポルシェに優勝をもたらしました。ティモ・ベルンハルトがトップでチェッカーフラッグを受けたとき、アイフェル地方は初夏らしい陽気に包まれていました。


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