ポルシェは、2013年にWEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスにデビューさせたGTEマシン、ポルシェ911 RSRを来季カスタマー向けに販売する。
今季デビューしたタイプ991の耐久レース向けレーシングカーである911 RSRは、6月のル・マン24時間の時点ではまだプライベーターチーム向けに販売するかを決定していなかったものの、最終戦バーレーンで、2014年スペックをプライベーター向けにリリースすることが明らかにされた。
「この決定は、長い期間を経て準備されたものだ。我々はきちんとしたリソースがあることを確認しなければならなかったんだ」と語るのは、ポルシェ・モータースポーツのヘルムート・クリステン代表。
「それに、我々はプライベートチームからきちんとしたニーズがあることを確認しなければ、供給体制を作り上げることができなかったんだ」
クリステンは、ポルシェがWECに参戦する可能性があるカスタマーチームと交渉をもったことを明らかにしたが、14年スペックの911 RSRは限られた数しかリリースできないと強調している。
「来季の開幕戦となるシルバーストンには、おそらく3台までしか投入できないだろう。我々はいくつかのチームと交渉を進めているが、どの交渉もうまくいくとは限らない」
GTE車両のポルシェ911は、今季まではプライベートチーム向けにタイプ997のポルシェ911 GT3 RSRが使用されており、WECをはじめヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)や来季グランダムと統合され、ユナイテッド・スポーツカー(USCC)となる予定のアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)で多くのプライベーターが愛用している。
来季に向けては、WECに参戦するプロトン・コンペティションが2台の911 RSRを購入しWECに参戦する計画があるが、GTE-アマクラスに参戦するIMSAパフォーマンスは、まだ購入の予定がないという。
また、USCCでは、ワークスのCOREオートスポーツの他に今季ALMSに参戦していたチーム・ファルケンタイヤが新型のRSRを購入しGT-LMクラスに参戦することを明らかにしているが、クリステンは、チームファルケンタイヤは真の意味でのポルシェカスタマーチームではなく、ファルケンタイヤの開発のための別の方法での支援となると明らかにしている。