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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.08.24 00:00
更新日: 2018.02.15 21:49

ポルシェ、LMS初開催のハンガリーでもフェラーリを圧倒


ル・マン・シリーズ第4戦、ブダペスト(ハンガリー)

LMS:ポルシェが勝利を収め、ポイント差を広げる

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)のワークスドライバー、マルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組は、ル・マン・シリーズ初開催となったハンガリーで見事な勝利を収め、タイトル防衛の可能性を大きく引き寄せました。2人はフェルベマイヤー・プロトン・チーム(ドイツ/オーストリア)からエントリーしたポルシェ911 GT3 RSRを駆り、ブダペスト郊外ハンガロリンクでの1,000 kmレースでフェラーリを抑え、またしてもGT2クラスで優勝を果たしました。

スタートからフィニッシュまで激しくトップが入れ替わる熾烈なレースで、リーブとリーツのコンビはシーズン4戦目にして3度目の優勝を手にしました。6時間後の日曜の22:00にチェッカーフラッグを受けたとき、フェラーリ勢トップのチームに9.9秒差をつけていました。成功の鍵は、ドライバー2人の優れたドライビングにあったことはもちろんですが、今回もピットクルーの完璧な作業が大きな要因となりました。フィニッシュ想定時間の1時間ほど前、マルク・リーブが最後のピットストップを行ったとき、フェルベマイヤー・プロトン・チームのクルーは最強のライバルよりも12秒早くレースに送り返しました。こうした努力のおかげで、リヒャルト・リーツはクラス一位でコースに戻り、このヴァイザッハ生まれの極めて信頼性の高いスポーツカーのステアリングを握って見事な走りを見せ、リードを守りました。

「今シーズンで最も過酷なレースでした。フェラーリには最後まで苦しめられました」とリヒャルト・リーツは述べています。「私は最終ラップで少し離すだけで精一杯でした。予選があまり良くなかっただけに、今回の勝利はいっそう価値あるものです。予選については少し対策を練る必要がありますが、次はもっと良い結果を出せるでしょう」。マルク・リーブも笑って次のように話しました。「ピット作業が完璧だったらビールを100リットルおごると言ったのです。チームが今回も最高のピット作業をしてくれたおかげで、私達はトップに立つことができました。特に最後のピットストップは、ワールドクラスの出来栄えでした」。 この難しいグランプリサーキットでのポルシェの成功をいっそう揺るぎないものにしたのは、フランスのIMSAパフォーマンス・マットミュート・チームの911 GT3 RSRのステアリングを握ったポルシェのワークスドライバー、パトリック・ピレ(フランス)でした。彼はレイモン・ナラック(フランス)とともに今シーズン初となる表彰台に上りました。ピレは次のように述べています。「ついにやりました。今シーズンは、どのレースでも表彰台に手の届くところまで行きながら、そのたびに何らかの問題に阻まれてきました。しかし今となっては過去のことです。今日3位に食い込むのは非常に大変でした。しかしやっと私達はトップのペースについていけることを示すことができました。次は、シルバーストンで初勝利を目指します。それができたら最高でしょう」。

さらにハンガロリンクで強いポルシェを誇示するのに貢献したのは、ル・マンで優勝経験のあるワークスドライバーのロマン・デュマ(フランス)と、マルティン・ラジンガー(オーストリア)、クリスティアン・リード(ドイツ)の3人でした。クラスの強敵を相手に、フェルベマイヤー・プロトン・チームの2台目の911 GT3 RSRで7位につけ、最終戦を残してポイントを3位としました。

ロマン・デュマは、「ポルシェは大成功を収めました。決定的な勝利をものにしたマルクとリヒャルトには、おめでとうと言いたいです。私も自分のスティントで非常に楽しく走ることができました。このようなテクニカルサーキットでヨーロッパ屈指のGTドライバーを相手に走ることができたのは、大きな喜びでした」と話しています。また同じ日の朝、オランダのザントフォールト・サーキットでポルシェ カレラカップレースを戦ってきたマルティン・ラジンガーは次のように述べています。「あわただしい週末でした。1日に異なる国で2つのレースに出場したのは、私のキャリアで初めてのことです。今日のことはすぐには忘れられないでしょう。私達の一番の目標は、チャンピオンシップで3位になることです。今からシルバーストンでの最終戦が待ちきれません」。

予選で最速のポルシェだったリチャード・ウエストブルーク(イギリス)とポルシェ ジュニアのマルコ・ホルツァー(ドイツ)の駆るベルギーのプロスピード・コンペティション・チームの911 GT3 RSRは、決勝では振るいませんでした。フェルベマイヤー・プロトンの3台目の911 GT3 RSは、マルコ・ゼーフリート(ドイツ)とホースト・フェルベマイヤーSr.およびJr.が操り、チャンピオンシップポイントは11位となりました。

ル・マン・シリーズのシーズン第5戦となる最終戦は、9月12日にイギリスのシルバーストン グランプリサーキットで開催されます。

ル・マン・シリーズ第4戦(全5戦)、ブダペスト/ハンガリー
GT2クラス結果
1.リーブ/リーツ組(ドイツ/オーストリア)、ポルシェ911 GT3 RSR、6時間01分24.043秒
2.カーカルディ/ミューレン組(イギリス/イギリス)、フェラーリF430 GT、+ 9.930秒
3.ピレ/ナラック組(フランス/フランス)、ポルシェ911 GT3 RSR、+ 36.149秒
4.アレジ/フィジケラ/ヴィランダー(フランス/イタリア/フィンランド)、フェラーリF430 GT、+ 55.102秒
5.ロペス/パレンテ組(ポルトガル/ポルトガル)、フェラーリF430 GT、- 1周
6.ベル/ターナー組(イギリス/イギリス)、アストンマーチン、-1周
7.ラジンガー/デュマ/リード組(オーストリア/フランス/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 RSR、- 2周
11.ゼーフリート/フェルベマイヤーSr./フェルベマイヤーJr.組(ドイツ/オーストリア/オーストリア)、ポルシェ911 GT3 RSR、- 18周

GT2クラス ポイントスタンディングス
ドライバー
1.マルク・リーブ、リヒャルト・リーツ、ポルシェ、78ポイント
2.ジャン・アレジ、ジャンカルロ・フィジケラ、トニ・ヴィランダー、フェラーリ、63ポ
ント
3.マルティン・ラジンガー、クリスティアン・リード、ポルシェ、52ポイント
4.パトリック・ピレ、レイモン・ナラック、ポルシェ、41ポイント
5.ルイス・ペレス・コンパンク、マティアス・ルッソ、フェラーリ、36ポイント
6.パトリック・ロング、ポルシェ、35ポイント
ジャンマリア・ブルーニ、ジェイミー・メロ、フェラーリ、35ポイント

マニュファクチュアラー
1.ポルシェ、135ポイント
2.フェラーリ、129ポイント
3.BMW、30ポイント
4.アストンマーチン、17ポイント


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