今年で90周年を迎えたル・マン24時間耐久レースは19日、現地時間の16時から4時間のフリープラクティスが行われ、トム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシュ組2号車アウディR18 e-トロン・クワトロがトップタイムをマーク。アウディ勢がトップ3を占めた。
走行初日を迎えたル・マンは、朝方から晴れたり急に雨が降り出したりと不安定な天候に。16時からスタートした4時間のフリープラクティスは、雨上がりの後の爽やかな晴天の下でスタートした。コースオープンとともに、アウディ勢、トヨタ勢が一斉にコースイン。他クラスの車両は、少しずつコースに向かっていった。
走り出しということもあり、コース各所でコースアウトやスピン等もあったが、そんな中、序盤から快調なペースで周回を重ねたのはアウディ勢だ。コースサイドで見ていても伝わるトラクション、コーナリングスピードの速さをみせつけ、序盤からトップ3を占める展開となった。
序盤は快晴に恵まれていたフリープラクティスだったが、開始から1時間が経過する頃には雨が降り出した。滑りやすくなり始めたコンディションのせいか、第2シケインでエリック・ラックスがドライブしていたケータハムカラーの41号車ザイテック・ニッサンがクラッシュ。4時間のセッションで初めての赤旗が提示された。
赤旗再開後、メインストレート側を中心にかなり雨が強くなり始め、スピンやコースアウトも多発。しかし雨はすぐに止み、再び天候は急速に回復。コンディションは再びドライに転じ始め、残り1時間40分というところでブノワ・トレルイエ駆る1号車アウディが3分26秒615までタイムを更新。それをさらにアウディ2号車が上回り、3分25秒415にまでタイムを縮めた。
しかし残り43分に、LM-GTEアマクラスのクローン・レーシングの57号車フェラーリが、ダンロップブリッジ通過後下り坂のコーナーで激しくクラッシュ。一時マシンが跳ね上げられるほどの衝撃となり、ドライバーは無事だったものの、大きくマシンとタイヤバリアが壊れていたため、この走行で2回目の赤旗が提示された。
オフィシャルによりタイヤバリアを修復するべく作業が進められたが、残り20分ほどというところで、タイヤバリアをこのセッション中には修復できないという判断が下され、そのままフリー走行は終了となった。
結局、プラクティスの終盤の走行はできなかったが、最終的なタイムは2号車アウディがトップ。1号車、3号車と続き、アウディ勢がトップ3を占めた。トヨタ勢は8号車が4番手、7号車が5番手につけている。
LMP2クラスは、OAKレーシングの35号車モーガン・ニッサンがトップタイムをマーク。ティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車オレカ・ニッサンが2番手、Gドライブ・レーシングの26号車オレカ・ニッサンが3番手となった。中野信治が乗り込む25号車オレカ・ニッサンはクラス12番手。井原慶子は開始55分に最終シケインでスピンする場面もあったが、28号車ローラ・ニッサンは17番手となっている。なお、代金未払いのために序盤走行しなかったロータスLMP2勢だが、31号車のみが終盤走行した。
LM-GTEプロクラスは、ポルシェAGチーム・マンタイの92号車ポルシェ911 RSRがトップタイム。僅差で小林可夢偉が乗り込む71号車フェラーリ458 GTEがつけた。3番手には91号車ポルシェが続いたが、上位陣は1秒近くの差となっており、非常に混戦が予想される。