今年で90周年を迎えたル・マン24時間耐久レースは19日、予選1回目が行われ、トム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシュ組2号車アウディR18 e-トロン・クワトロがトップタイムをマークした。
フリープラクティスからの2時間の間に、すっかり夕闇に包まれたル・マン。午後10時から2時間の予定でスタートした予選1回目では、コースオープンからアウディ勢とトヨタ勢によるアタック合戦がスタートした。コース各所でトラフィックがあるため、クリアラップを取ることが難しいル・マンの予選だが、まずは2号車アウディを駆るロイック・デュバルが3分23秒169というタイムをマーク。翌周にはさらに縮め、中嶋一貴が駆る7号車が3分27秒というタイムだったのに対し、一気にアドバンテージを築いていく。
序盤からハイペースで走行を続けるデュバルの2号車アウディの一方、ディフェンディングチャンピオンである1号車は少しずつペースを上げていく展開。序盤こそトヨタ勢のタイムを上回ることなく周回を重ねていたが、しばらくするとフリープラクティスに続きアウディ勢のトップ3フォーメーションが完成していく。
対するトヨタ勢だが、開始45分、アルナージュ先でセバスチャン・ブエミがドライブ中の8号車トヨタTS030ハイブリッドがストップしてしまう。8号車は駆動系トラブルのようで、インディアナポリスの立ち上がりで急にストップ。ピットに戻れない状況となってしまった。
序盤からスピンやコースアウトは相次いでいたが、開始から1時間5分、今度はOAKレーシングの35号車モーガン・ニッサンがストップ、次いでティリエ・バイTDSレーシングの46号車オレカ03・ニッサンが第2シケインでクラッシュしてしまい、動けない状況となったため、予選1回目最初の赤旗が提示される。この時点でトップは2号車アウディ。次いで3号車、1号車という順位に。1号車はまだこの時点でアタックを行っていない様子だった。
この赤旗はコース修復のために非常に長く取られることとなったが、結局そのままコース設備の回復が見込めないためセッション終了。予選1回目は1時間少々での走行となってしまった。結局デュバルが開始直後にマークした3分22秒349が最速。3号車、1号車と再びアウディ勢がトップ3を占めることとなった。
4番手は7号車トヨタで、5番手にはレベリオン・レーシングの12号車ローラ・トヨタが食い込むことに。ストップした8号車は赤旗中にピットに戻ったが、その後コースインできないままセッション終了となってしまった。
LMP2クラスのトップは、Gドライブ・レーシングの26号車オレカ・ニッサンがトップに。モランド・レーシングの43号車モーガン・ジャッドが2番手、OAKレーシングの24号車モーガン・ニッサンが3番手となった。中野信治が乗り込む25号車オレカ・ニッサンはクラス4番手と好ポジションで初日を終えることに。井原慶子が乗り込む28号車ローラ・ニッサンはクラス15番手だった。
激戦区のLM-GTEプロクラスは、ブルーノ・セナ/フレデリック・マコウィッキ/ロブ・ベル組99号車アストンマーチン・バンテージGTEがトップタイムをマーク。AFコルセの51号車フェラーリ458が2番手、97号車アストンマーチンが3番手、98号車アストンマーチンが4番手となった。トップ7台が1秒差に入る僅差の予選1回目となっている。
小林可夢偉が乗り込む71号車フェラーリはクラス6番手だが、可夢偉は3番目の走行順だったため、赤旗により走行できず。初出場の可夢偉はナイトセッションを3周しなければならないため、明日の予選は重要なものになりそうだ。