幕張メッセで開催されている東京オートサロン2016のTOYOTA GAZOO Racingブースで、トヨタ陣営からスーパーフォーミュラに参戦している中嶋一貴、小林可夢偉、そして石浦宏明がトークショーに臨み、フォーミュラトヨタ時代から親交のある3人が、それぞれの長所を語り合う場面があった。

 今回登壇した3人の中で、一貴と可夢偉は東京オートサロンでGAZOO Racingのトークショーに参加するのは初めてとのこと。ふたりはともに集まったファンの数、そしてブースの大きさにも驚いた様子だったが、横に長く伸びるブースを指して「ボウリングができそうなくらいの広さ(笑)」と可夢偉節は健在。また石浦が「やっぱり一貴と可夢偉がいるからこんなに人が集まってくれたのかな?」ととぼけた様子で話すと、すかさず「いやいや、チャンピオンがいるから!」と一貴と可夢偉がツッコむなど、旧知の3人はともにリラックスした様子でトークに臨んでいた。

 それぞれの経験を交えながら、世界的にも存在感の高まっているスーパーフォーミュラの魅力をPRしていた3人だったが、終盤にはMCに促される形で互いの長所を語り合うことに。照れながらも真剣に語られた、三者三様の相互評価をお届けしよう。

 まずは、一貴への評価。

「一貴は“真ん中”。ほどよく抜けていて、でもほどよくしっかりしている。そして、意外に勝負強い。2年前のスーパーフォーミュラ最終戦でチャンピオンを決めた時は勝負強さが出ていた。ココだと決めた時の勝負強さは、この3人のなかで一番あると思う」(可夢偉)

「去年の最終戦のスタートで、トップ出るのは難しい中でも並びかけていったのは、やっぱり勝負強いなと思った。勝負強さはもちろん、スタートでも、去年1年間を見てもほぼトップだったのはすごい。あとは、予選が悪くても絶対に前でゴールするという、諦めない姿勢もすごいなと思う」(石浦)

 続いて、可夢偉への評価。

「感覚だけで走っているように見えますが、結構小難しいことを考えているタイプ。でも走ると速く、レースが上手い。F1の時もそうですが、人がしないようなものを見つけていくような感性がある。普通はしないようなことをするので、FTのときはそれでエンジンを壊したりもしていた(笑)。できるのではないかとやってみて、やれてしまうすごさがある」(一貴)

「雨の日もそうですが、『そんなところでコントロールしているの?』みたいなことができる。ドライでも、映像で見てもクルマが全然決まっていないのに振り回してコントロールしていたりだとか、『そこまで普通やらないだろう』というところでさらに上を目指そうとするところがすごい」(石浦)

 そして、“王者”石浦への評価は?

「可夢偉と反対で、頭で考えて組み立てていくタイプ。そして、すごく大人で人間としてちゃんとしている。一般的な社会人としてどこに出しても恥ずかしくない(笑)。エンジニアやチームとコミュニケーションを取りながらクルマを作っていくのもドライバーとしての大事な仕事なので、そういった部分も含めて総合力が高い」(一貴)

「一番大人。年齢が一番上だというのもあるかもしれませんが、レースに対しての考え方は間違いなく僕たち以上にしっかりしているし、一番苦労をしている人でもある。これからジャケットを着て営業に向かってもおかしくないくらい(笑)」(可夢偉)

 2月4日に予定されているトヨタ陣営のモータースポーツ体制発表会まで、今シーズンの動向は明かせない身ではあるが、スーパーフォーミュラのレベルの高さ、そして楽しみ方を語るとともに、「参戦するとすれば」との注釈付きながら全力で戦う意気込みを見せた3人。今季もコース上で相まみえる姿を待ち望みたいところだ。

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