21日、ACOフランス西部自動車クラブから発表されたル・マン24時間の最新エントリーリストで、今季LMP2クラスにデルタADRから参戦することが決まった中野信治が、ル・マンに向けて参戦の喜びと意気込みを語った。
近年ル・マンをはじめとしたスポーツカー耐久レースに参戦を続ける中野は、昨年はル・マン24時間にブーツェン・ジニオン・レーシングから参戦。ベテランらしい速さと経験でチームを牽引し、さらにADRデルタから参戦したWEC世界耐久選手権第7戦富士では、レース序盤に好走をみせ、見事クラス優勝を果たした。
そんな中野は、今季もル・マンに挑戦するべく昨年の富士以来長い時間をかけ交渉を重ね、今回デルタADR(ADRデルタから今季改称)のシートを獲得した。チームメイトとなるのは、昨年もともにステアリングを握ったトー・グレイブス、そしてGT3カーでのレース等で経験を積んできたイギリス人ドライバー、アーチー・ハミルトンのふたりだ。
今回中野が所属するデルタADRは、イギリスF3等で多くの栄光を勝ちとってきたアラン・ドッキング・レーシングとデルタ・モータースポーツが組んだチーム。昨年のWECではスパ、シルバーストン、富士と3勝を飾り、今季はニッサンのセミワークス格に昇格。開幕2戦はグレイブスに加え、元F1ドライバーのアントニオ・ピッツォニアとジェームス・ウォーカーが乗り込んでいた。
昨年の富士でも高いチーム力を感じていた中野は「昨年のWEC富士でともに戦い、優勝を飾ったイギリスの強豪チームであるデルタADR。昨年の富士でのレース以来、長い時間をかけて続けてきた交渉がようやく実を結ぶことになりました。今年もル・マンという最高のレースを戦えることを心から嬉しく思っています」と語る。
「今回で7回目となる僕のル・マン24時間耐久レースへの挑戦。今年は1923年に第1回目が開催されてから90周年となる記念大会でもあります。この偉大な、そして歴史ある舞台にて最高の走りをするべく全身全霊を賭けて戦うつもりです」と意気込みを語った。
今季のデルタADRからの参戦は、これまでの中野のル・マン挑戦の中でも非常に可能性をもった参戦と言える。豊富な経験を活かし、表彰台獲得を目指してほしいところだ。