2013年のル・マン24時間耐久レースに、LM-GTEプロクラスの71号車フェラーリ458 GTEを駆り参戦している小林可夢偉が、初めてのル・マン24時間を過ごしている週末、そして初めてのナイトセッションの感想を語った。

 今季WEC世界耐久選手権に参戦、トニ・バイランダーと組み、AFコルセのフェラーリを駆り開幕2戦で連続表彰台を獲得している可夢偉は、日曜の公式車検2日目からル・マンに登場。目の肥えたル・マンのファンからもしきりにサインをせがまれるなど、忙しいレースウイークを送っている。

「月曜日からイベントが始まるようなレースは初めてなので、リズムが取りづらい1週間ですね。僕は今までこんな経験したことはないし、予定が変則的なんですよね」と独特なル・マンの週末を初めて体験している可夢偉。

 水曜のフリープラクティスから、71号車のステアリングを握った可夢偉は、1周13kmを超えるサルト・サーキットを体感。1日目の予選1回目は3番目の走行順となっていたため、可夢偉の順番が回ってくる前に赤旗のため終了となってしまい、予選を走ることはできなかった。

 迎えた2日目、夕暮れの予選3回目を迎えた71号車フェラーリは、可夢偉がコクピットに座りコースイン。可夢偉は初めてのナイトセッションをこなすとともに、初参戦のドライバーに課せられたナイトセッション3周走行をすぐに消化。その後も周回を重ねていった。

 初めての夜間走行について感想を求められた可夢偉は、「どこだろう? イタリアの夜中の、山の高速道路を走っている感じですね。ライトがない中をポツンと走っているような。ヨーロッパでは夜中移動をよくしているので、得意なんですよ。全然問題無く走れましたね」と可夢偉らしい独特の表現でル・マンの夜を語ってくれた。

 LM-GTEプロ/アマクラスの車両は、このレースではLMP1/2という上位クラスの車両を抜かせながら、なるべくタイムを落とさず走る技術が要求される。WECの開幕2戦をこなしてきた可夢偉だが、夜の走行ではどんな印象だろうか?

「特にこれは……というのはないんですけど、たしかにどこにいるか見えないんですよ。とりあえず、ミラーを見たら真っ白なんです。まぶしすぎて」と可夢偉。では、夜は昼よりも厳しいのだろうか?

「心理的に言うと、夜は逆に楽かもしれません。なぜかというと、速いクルマは僕たちが見えていないと思っていて、より安全マージンを取ってくるんです。けっこう僕たちはライトが見えていても普通に走っていて、向こうがちゃんとしたところにいる。そういう心理的な差があるので、一概には言えないですね」

 可夢偉が乗り込む71号車フェラーリは、予選でクラス6番手を獲得。「決勝に向けた戦略は進んでいる」と言う。クラスポールポジションを獲得したアストンマーチン勢とはタイム差もあり、厳しい状況ではあるが、「ポイントをたくさん獲りたい」と語った。

 ドライバーも通常よりひとり多く、また走行時間も通常のWECとは異なり、すべてが独特な雰囲気で進むル・マン24時間。可夢偉は特別な思いは持っていないようだが、「これがル・マンなんだな、と感じながら今のところ過ごしています」と今の気持ちを語ってくれた。

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