10月30日〜11月1日に開催されるWEC世界耐久選手権第7戦。タイトル争いも佳境を迎えているこの上海戦には、スポット参戦の車両も含めて4クラス合計32台がエントリーしているが、1台減って31台となる可能性もある。
全8戦がスケジュールされている今シーズンのWECも、残すところあと2戦。9台が戦うLMP1クラスでは、ポルシェ、アウディが前戦富士でチームオーダーを発動し、ドライバーズタイトルを睨んだドイツ2陣営の“ガチンコ”バトルが勃発している。
そのドライバーズランキングでは、富士戦で優勝を飾り直近3戦で3連勝となった17号車ポルシェのティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウエーバーが、129ポイントで首位。ただし、富士を終えてランキングトップの座を奪われる形となった7号車アウディのマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエの3人も128ポイントと、1ポイントの差。最終戦に向け、ここ上海がどちらにとっても正念場となる。
一方マニュファクチャラーランキングでは、首位のポルシェが264ポイントと、2位のアウディに53ポイントの差をつけており、今回のレースを終えた段階で44ポイントのリードをキープすることができれば戴冠が決まる状況。アウディとしては、なんとか差を詰めて勝負を最終戦に持ち込みたいところだ。
コストキャップのもとプライベーターが争うLMP2クラスでは、ペガサス・レーシングが29号車モーガン・ニッサンでスポット参戦し、普段より1台多い9台のエントリーに。29号車には、デイビッド・チェン/ホー-ピン・タンの中国人ドライバーふたりが乗車し、母国レースに臨む。
タイトル争いでは、ドライバーズ/チームの両タイトルともに、富士戦で優勝を飾ったG-ドライブ・レーシングの26号車リジェJS P2・ニッサン(サム・バード/ロマン・ルシノフ/ジュリアン・キャナル)が134ポイントで首位。12ポイント差の2位にKCMGの47号車オレカ05・ニッサン(マシュー・ホーソン/リチャード・ブラッドレー)が続く形となっている。
フェラーリ、ポルシェ、アストンマーチンのワークス格チームが合計7台で争うLM-GTEプロクラスでは、GTマニュファクチャラーズタイトル争いが過熱。現在首位のフェラーリと2位ポルシェとの差は13ポイントとなっている。一方、GTドライバーズランキングでは91号車ポルシェ911 RSRをドライブするリヒャルト・リエツが110ポイントで首位。2位には71号車フェラーリ458イタリアのジェイムズ・カラドが7ポイント差で続き、首位から16.5ポイント差の3位には51号車フェラーリを駆るジャンマリア・ブルーニ/トニ・バイランダーがつけている
ただし、アストンマーチン・レーシングの95号車アストンマーチン・バンテージV8については、富士戦前に新たに設定されたBoP(性能調整)により競争力を発揮できないとして、今回の上海戦を欠場すると英AUTOSPORT.comが報道。現在のところエントリーリストには反映されていないが、LM-GTEプロクラスのエントリーは6台となり、4クラス合計でも31台となる可能性がある。
7台がエントリーするLM-GTEアマクラスでは、SMPレーシングの72号車フェラーリ(ビクトール・シェイタル/アンドレア・ベルトリーニ/アレクセイ・バソフ)が29ポイントのリードを保ってドライバー/チームともにランキング首位。今回のレースを終えた段階で26ポイント以上の差を保つことができれば、1戦を残してのタイトルが決まる計算だ。
各クラスのタイトル争いも注目のWEC第7戦上海は、30日に2度のフリー走行がそれぞれ1時間30分で行われ、31日に1時間のフリー走行と予選、そして11月1日に6時間の決勝レースが開催される。