One Day Smile
PRESS RELEASE
今季6度目となる連続表彰台獲得も選手権は2位に転落し最終戦へ
GT-Asiaシーズンは開幕戦の韓国、そして日本での2ラウンド(岡山戦、富士戦)、そして初の3時間レースとなった前回のマレーシア・セパン戦を終えていよいよ選手権争いも終盤の天王山、中国上海戦へと舞台を移した。
昨年アジアのレースシーンに衝撃的なデビューを果たした時から丁度1年、フル参戦を果たした今年は選手権リーダーとしてAbsolute Rasingの本拠地の1つでもある上海での戦いに挑む。Bentleyターニングポイント、マレーシアセパンサーキットでの開催を迎えた。
木曜日の非公式練習、金曜日の公式練習
GT-Asiaのマレーシアからの車両と機材を積んだコンテナが上海の税関通過が遅れるというハプニングが発生し、当初予定されていた木曜日の走行日程は急遽キャンセルとなった。
しかし金曜日の公式練習からは予定通りにスタート、FIAが定めるBOP(バランス・オブ・パフォーマンス : 性能調整)が改変され、ベントレーに対してライバルでもあるFerrariやAston Martinがやや優勢になった印象となり、公式練習では総合で6-8位を位置していた。
金曜日の予選
通常は土曜日の朝に開催される公式予選だが今回は中国ツーリングカー選手権(CTCC)や世界ツーリングカー選手権(WTCC)っと同時開催によってタイムスケジュールが通常フォーマットと若干違い、金曜日の公式練習終了後の夕方に開催された。
1回目は澤がDrive、サポートレース走行直後で路面が悪く週末悩まされているタイヤの温まりが遅いという症状が更に悪化する中ベストタイム1分48秒40を記録するも10位がやっと。全体的なグリップ不足に悩まされていた。
またジェントルマンDrが多くノミネートされている予選2回目には相方のAdderly Fong選手がDrive、元々他のレースなどで上海のコースを走り込んでいるせいか澤よりも今回はスムーズに予選を戦いそその時点でトップとなる1分47秒33を記録。赤旗を挟んだ最後5分の再開でライバルの99号車が僅差でPPを奪われるも最前列の2位から日曜日のレースはスタートとなる。
土曜日決勝(第8戦 50分)
10番手からのスタートを担当する澤は新品タイヤを日曜日のレースに温存する作戦、スタートの場所取りでうまくいかずに後退してしまい13位を走行、先にDrチェンジのピットインを済ます車両の関係で丁度レース折り返しの25分のピットインの段階では9位。
タイヤをもう1セットの予選で使用した中古タイヤに変えて後半はAdderly選手が8位でコース復帰を果たす。(前回2位のピット加算8秒をここで消化)チャンピオン争いを戦う99号車のアストン、37号車のFerrariはスタートも8位、9位と我が8号車と並んで混戦、レースでも6-8位にこの3台が並んで一歩も弾けない様相となる。
クラッシュ車両発生でSCカーが導入になり残り5分で再スタート、99号車と37号車は決勝のペースが良く何とトップ争いまで追いつき、バトルの末99号車が優勝、2位には37号車が入るがSC解除のスタートの際に他車と接触で相手をスピンさせたとしてレース後にタイム加算のペナルティを受けてポイント圏外に、4位でゴールした我が8号車は繰り上がりで3位となり、今季GT-Asia5回目の表彰台獲得となったが優勝した99号車とのポイントは再び同点首位という形になった。
日曜日決勝(第9戦 50分)
土曜日のレースで37号車は事実上選手権争いからは脱落し99号車との一騎打ちの様相となる。その2台がフロントローに並ぶという決戦をいよいよ迎えた日曜日、スタート担当のAdderly選手が温存していた新品タイヤで何とかペースが良い99号車Aston Martinに離されないようにして後半相手が10秒加算、我々が4秒加算のピットタイム(土曜日の結果によって)で逆転し後半澤が逃げ切るという作戦を敷いた8号車だったが、スタートでタイヤの温まりが悪い症状が治らず3番手スタートの37号車に抜かれ3位となってしまう、中古タイヤでペースが上がらない37号車に抑えられてしまう形になってしまい、新品タイヤ装着のPPスタートの99号車は10秒以上のマージンを築いていく、2位に挽回をした時点では12秒近くの差となり99号車と同時ピットインとなったがコース復帰後も5秒の先行を許してしまう。
後半を担当した澤もスタートから使用している新品タイヤのままでコース復帰後の温まりを期待して必死に追いかけるがスタートから酷使しているタイヤでペースが上がらず、一旦抜いた37号車に追いつかれてしまう。何とか防戦を試みるも残り4分となった時点で遂に2位の座を明け渡してしまい、そのまま3位でゴール。選手権で争い99号車に2連勝をさせてしまう結果となり選手権は4ポイント差の2位に転落するという失意の週末となった。
澤圭太コメント:
今回は今までよりも苦戦を予想してましたがその予想は的中してしまった形となった週末でした。Adderlyも私も、そしてチームも最大限出来る限りのことを尽くしましたが絶対的なスピードが今週は足りませんでした。今のBOPではフェラーリとアストンが非常に速い上に回り込んだ中高速のコーナーが多いここ上海はやはり大柄なBODYのベントレーは少し不利だったのかもしれません。
自分自身も常に路面の悪いコンディションでの走行が続きコース攻略も今までに比べるとクオリティが今一歩、そんな中相方のAdderlyが素晴らしい走りをしてくれ頼もしい限りでした。週末を通して車のバランスに苦しみ、2レース共に厳しい展開ながらも焦らず腐らず、最大限の結果を得られて今季GT-Asiaでは9レース中6回目の表彰台獲得はせめてもの救いとなりました。
(FSWでのRd.6から4回連続表彰台、2勝を含む)
Rd.8の37号車のペナルティ降格によって、99号車との2台に事実上絞られた選手権争いは泣いても笑っても残るは10月末のタイ・ブリラム戦を残すのみとなりました、そんな天王山決戦で99号車に2連勝をされてしまった事は痛恨の極みですが、悔いのない最終戦を迎えるべく準備を進めたいと思います。
皆さんの応援を背に残り2戦をBENTLEY TEAM ABSOLUTEと共に全力で戦いますので引き続き応援のほど宜しくお願い申し上げます。
(株)ABSSA 代表取締役 / ワンデイスマイル主宰 / レーシングドライバー 澤圭太