2001年にはS101、2008年にはS102を製作、昨年のル・マン24時間にはS102.5と、ル・マン規定のプロトタイプカーを製作してきた童夢が、2014年に向けて新たなプロトタイプカー製作を進めているようだ。
これはオートスポーツwebの取材に対し、昨年8月から新たに童夢の新社長となった鮒子田寛社長が答えたもの。鮒子田社長は童夢の新プロトタイプカーについて、「現在、2014年規則に合致した新LMP1の風洞試験、設計作業を進行させています」と14年に向け計画が存在していることを明らかにした。
具体的な時期について鮒子田社長は、「目標投入時期は2014年シーズンで、シェイクダウンを2014年初に実施するべく進めています」とコメント。新たな形式名は『S103』になるとし、「早い時期にS103のイメージを発表したいと考えている」と語った。
2007年に登場した童夢S102は、当時猛威を振るっていたワークスのディーゼルターボ勢に対し、空力などシャシー性能を突き詰めたガソリンエンジン車でどう対抗するかを目指したものだったが、新たな『S103』はどんなターゲットを目指すのだろうか?
これに対し鮒子田社長は「車両コンセプト、空力性能、トータルバランスに優れワークスと伍して戦える性能を持つLMP1開発が目的です」という。
「基本はユーザーへの販売が目的で、ワークス参戦も検討中ですが、参戦スポンサー獲得が課題です」と鮒子田社長。近年、LMP1のカスタマーユーザー向けシャシーはローラ、そしてHPD ARXシリーズくらいで、速さに対する評価の高い童夢製シャシーがリリースされれば、カスタマーチームにとっては魅力的な存在になり得る。
さらに鮒子田社長は、「LMP2の車両開発計画も進行中」だと語った。こちらはオレカ、ザイテック、ローラ、HPD、モーガンとさまざまなシャシーコンストラクターが競合するカテゴリーだが、ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)、AsLMS(アジアン・ル・マン・シリーズ)でユーザーを多く抱えるマーケットでもある。
今後発表されるであろうS103、そしてシャシー販売の計画の発表を楽しみにしたいところだ。