ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ（USCC）は3日、ロードアトランタで最終戦プチ・ル・マンが開催され、激しい雨により途中終了となったレースは、GTLMクラスを戦うポルシェ・ノースアメリカのニック・タンディ／パトリック・ピレ／リヒャルト・リエツ組911号車ポルシェ911 RSRが総合優勝を飾った。最高峰のPクラスでは、ジョアオ・バルボサ／クリスチャン・フィッティパルディ／セバスチャン・ブルデー組が駆るアクション・エクスプレス・レーシングの5号車コルベットが総合3位に入ってクラス優勝を果たし、バルボサとフィッティパルディがシリーズタイトルを決めている。

　USCCの今シーズン最終戦となったプチ・ル・マン。今回のレースにはPクラス、PCクラス、GTLMクラス、そしてGTDクラスと、全4クラスが集結。合計37台がエントリーした。ただ10時間の決勝レースでは、雨によりフルコースイエローとなる場面があったほか、5時間経過直後には赤旗中断に。その後、イエローコーション下で走行が再開し、リスタートも切られたが、最終的には8時間経過を前にチェッカーが振られた。

　GTLMクラスながら総合優勝を果たすこととなった911号車ポルシェは、2日にウエットコンディションのもとで行われた予選でクラス2番手のタイムをマーク。ただ、予選後の車検でライドハイトの違反が発覚し、36番手からのスタートとなった。

　しかし、ウエットコンディションの中で911号車のピレは、ファーストスティントで総合首位にも躍り出るなど上位に復帰。レース中断からの走行再開後、イエロー下で給油のためのピットストップでシボレー・コルベット勢の先行を許した911号車だったが、タンディがリスタート直後に2台をオーバーテイク。その後、Pクラスの31号車コルベットDPを追うが、レース最後のイエローコーション直前に31号車はルーティンのピットイン。これにより911号車が総合首位に躍り出ることとなり、そのままトップチェッカーを受けた。

　この結果、ピレはGTLMクラスのドライバーズタイトルを獲得。また、今年のル・マン24時間でポルシェ919ハイブリッドを駆り、ニコ・ヒュルケンベルグ／アール・バンバーとともに総合優勝しているタンディは、このプチ・ル・マンも制することとなった。

　総合2位はBMWチームRLLの24号車BMW Z4 GTEに。また、31号車の最後のピットストップが、Pクラスのタイトル争いを決定づけることにもなった。

　最終的にタイトルを手にすることとなった5号車コルベットDPは、ポイントランキングで首位から6ポイント差の同率2位でこの最終戦に参戦。予選2番手から決勝レースをスタートする。開始から2時間というところで、ランキング首位につけるVisitFlorida.comレーシングの90号車コルベットDPがスピンを喫して2ラップダウンとなり、タイトルを争うライバルが1台減少する。

　ただ、同じくアクション・エクスプレスの僚友であるとともに同点でランキング2位につける31号車コルベットDPが終盤まで首位につけていたものの、前述の通り31号車はレース短縮が決まったイエローコーションの直前にピットへ。これにより5号車がクラス首位に躍り出てチェッカー。一方の31号車はクラス3位に順位を落とし、5号車を駆るバルボサ／フィッティパルディがPクラスのタイトルを決めることとなった。

　オレカFLM09のワンメイクで争われるPCクラスでは、COREオートスポートの54号車を駆るコリン・ブラウン／ジョナサン・ベネットが2年連続となるタイトルを獲得。ただ54号車はレースではクラッシュを喫してクラス4位となり、PR1/マティアセン・モータースポーツの52号車が優勝を飾っている。

　GTDクラスでは、パークプレイス・モータースポーツの73号車ポルシェ911 GTアメリカがクラス優勝。タイトル争いでは、スクーデリア・コルサの63号車フェラーリ458イタリアを駆るビル・スウィードラー／タウンゼント・ベル組がチャンピオンに輝いている。