第81回ル・マン24時間耐久レースは20日、公式予選3回目のセッションが行われ、不安定なコンディションの中、予選1回目にマークされた2号車アウディR18 e-トロン・クワトロのタイムを上回るマシンは現れず、トム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシュ組2号車アウディがポールポジションを獲得した。

 いよいよ3回に渡る予選の末、ポールポジションが決まることになる予選3回目。これまでの2回の予選、水曜のフリープラクティスともに赤旗終了となっており、走行時間が極端に少ないことから、主催者は予選3回目の開始時間を30分繰り上げ、現地時間21時30分にスタートした。

 本来ナイトセッションである予選3回目だが、夕暮れ時のスタートとなり、各車ドライでのコンディション等を確認すべくコースイン。しかし、先ほどの予選2回目同様公道区間はまだ水が残っており、ポルシェカーブ付近からは急にドライになる不安定なコンディションで、スリックを装着する訳にもいかず、なかなかタイムは向上しなかった。

 そんな中、開始30分を迎える頃に、トヨタ勢はスリックタイヤを装着。7号車トヨタは中嶋一貴のドライブで、このセッションのベストタイムを更新していく。そこからアウディ、トヨタの両陣営が積極的にアタックを展開し、タイムが予選1回目にかなり近い、3分30秒前後まで上がってきた。しかし22時57分、第1シケインでIMSAパフォーマンス・マットムートの76号車ポルシェ911 GT3 RSRがクラッシュ。デブリがコース上に散乱してしまったため、赤旗が提示される。

 この赤旗は23時5分に解除され、残り55分のセッションがスタートしていった。この時点でコンディションは好転し、3号車アウディ、そして8号車トヨタがタイムアップ。8号車はついに予選1回目のタイムを更新し、レベリオン・レーシングの12号車ローラ・トヨタの前のポジションに出ることに成功した。

 そんな中、積極的にタイムアタックを展開していったのは3号車アウディを駆るオリバー・ジャービス。終盤に向けて再びアタックが展開されていくと思われたが、ストラッカ・レーシングのHPD ARX-03c・ホンダが第2シケインでクラッシュしたため、再度赤旗が提示される。

 残り30分足らずというところでセッションはリスタート。ここで1号車アウディをドライブするアンドレ・ロッテラーが、一気にタイムを短縮。3分23秒696をマークし2番手に躍り出る。ロッテラーはその後、ブノワ・トレルイエにステアリングを託し、一方トップに立っていた2号車は、ロイック・デュバルが乗り込みピットを後にする。

 しかし、完全に乾いている部分はレコードラインのみというコンディションの中、各マシンが果敢にアタックを展開していくも、コース上の各所でスピンやコースアウトが相次ぎ、なかなかクリアラップを取ることができず。結局初日の予選1回目、開始直後にロイック・デュバルがマークした3分22秒349という2号車アウディのマークが、そのままポールポジションタイムとなった。1号車アウディがフロントロウ2番手を獲得、3号車が3番手となり、アウディが予選トップ3を独占した。

 LMP1クラスでは、この予選3回目で積極的にアタックを展開し、ポジションを上げた8号車トヨタが4番手。7号車が5番手となり、非ハイブリッド車の最上位は、12号車ローラ・トヨタの6番手となっている。

 LMP2クラスは、この予選3回目でポジションを上げたOAKレーシングのオリビエ・プラ/デイビッド・ハイネマイヤー-ハンソン/アレックス・ブランドル組24号車モーガン・ニッサンがクラスポールを獲得。26号車オレカ・ニッサンが2番手、38号車ザイテック・ニッサンが3番手と、異なるシャシーコンストラクターがトップ3に食い込んだ。中野信治が乗り込む25号車オレカ・ニッサンはクラス5番手、井原慶子が乗り込む28号車ローラ・ニッサンはクラス19番手となった。

 LM-GTEプロクラスは、予選3回目でさらにタイムを刻んだロブ・ベル/フレデリック・マコウィッキ/ブルーノ・セナ組99号車アストンマーチン・バンテージGTEがクラスポールを獲得。97号車アストンマーチンが続き、アストンマーチン・レーシングがワン・ツーとなった。51号車フェラーリ458がクラス3番手。小林可夢偉は71号車フェラーリを駆り、ナイトセッション開始直後から積極的に走行。予選はクラス6番手となっている。

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