アメリカン・ル・マン・シリーズは16日、ロードアメリカで記者会見を行い、2010年以降、シリーズのカテゴリー分けを再編成し、LMP、LMPチャレンジ、GT、GTチャレンジの4カテゴリーにすると発表した。
ロードアメリカの記者会見で、アメリカン・ル・マン・シリーズのCEOであるスコット・アタートンは「昨今の状況の中、失敗は許されない。我々のプランは2010年以降の状況を見据えたものなのだ。我々は、アメリカン・ル・マン・シリーズが築いた現在のポジションに至った要素を保持するとともに、新たなクラスの価値を築く最初のシリーズとなる。現在、自動車産業は大きな変化に見舞われている。モータースポーツ産業も同様だ。我々は今日の発表で、メーカー、チームに対して幅広い価値を提供する」と新カテゴリーに対しての期待を語る。
今回発表された内容は、ル・マン24時間を主催するACOのサポートを受けたもの。これまでLMP1、LMP2としていた2クラスのプロトタイプは、新たにLMP(ル・マン・プロトタイプ)クラスとして単一のカテゴリーとなる。ただし、ヨーロッパからの遠征組が参戦することが多いセブリング12時間、プチ・ル・マンはこれまで同様のルールで競われる。今季までの参戦マシンで言うと、アキュラARX-02a、ARX-01b、ジネッタ-ザイテック09Sハイブリッド、ローラB09/86マツダ、ローラB06/10、ラディカルSR9、ポルシェRSスパイダー、アウディR15TDI、プジョー908、ローラ・アストンマーチン、ペスカローロなど全てがこのクラスに含まれる。
LMPカテゴリーの下には、新たにLMPチャレンジクラス(LMPC)が追加される。これは、ル・マン24時間で発表された、クラージュ-オレカ製の“フォーミュラ・ル・マン”FLM09を使うもので、カーボンシャシー&ブレーキ、Xトラック製シーケンシャルを備えるものの、安価に参戦が可能なカテゴリーとなる。また、このLMPCカテゴリーにはコントロールタイヤが導入される。FLM09は今季のプチ・ル・マンの週末に展示され、ロードアトランタでテストが実施される予定だ。
これまでGT1、GT2となっていたGTカテゴリーは、ACOのGT2カテゴリーが適用され、こちらも単一の『GT』カテゴリーとなる。これまでの参戦車種では、コルベットC6.R、ポルシェ997 GT3 RSR、フェラーリF430GT、ジャガーXKR、BMW M3、パノス・エスペランテ、フォードGT、ダッヂ・バイパーらが含まれる。
一方、そのGTカテゴリーの導入カテゴリーとしては、『GTチャレンジ』カテゴリー(GTC)が追加される。これは、当面はポルシェ911 GT3カップカーが使用され、今後、他のマニュファクチャラーのマシンが追加されるとしている。
また、すべてのクラスで来季以降もE85エタノール、もしくはE10、E10/ハイブリッドで競われ、アメリカ環境保護局、エネルギー省の規定を守る唯一のシリーズとなる。