ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)は18日、エストリルで今季最終戦となる第5戦の決勝レースが行われ、ティリエ・バイ・TDSレーシングのピエール・ティリエ/ルドビク・バデイ/ニコラス・ラピエール組46号車オレカ05・ニッサンが優勝。2位にグリーブス・モータースポーツのゲイリー・ハーシュ/ビヨン・ビルドハイム/ジョン・ランカスター組41号車ギブソン015S・ニッサンが入り、今季のシリーズチャンピオンに輝いた。
前戦を終えて、ランキングでは首位のJOTAスポーツと2位のグリーブスとの差が1ポイントという状況となっていたELMS。予選では、JOTAの38号車ギブソン015S・ニッサンがポールポジションを獲得して1ポイントを獲得し、グリーブスは2ポイントを追う形で決勝レースを迎えることとなった。
さらにグリーブスは、予選で2番手タイムを記録していたが、黄旗違反があったとしてタイム抹消となり10番グリッドへ降格。逆風の吹く中でスタートを迎えた。
4時間のレースでは、序盤はJOTAの38号車がリードをキープしていたが、開始から1時間30分を前に雨が降り始める。そんな中、38号車が痛恨のスピン。グラベルに捕まり1ラップダウンとなり、タイトル争いからは後退してしまう。
一方、グリーブスの41号車はその後、首位に躍り出る場面もあるも、ハーシュがピットインする際にシートベルトを早く外しすぎたためストップ&ゴーペナルティを受け、ポジションを失うこととなった。
優勝したTDSの46号車オレカは、今回チームのステアリングを握ったニコラス・ラピエールが雨の中でダブルスティントを完遂して勝利に貢献。最後は後続を1周引き離して優勝を飾った。2位にはグリーブスの41号車ギブソンが入り、逆転で今季のドライバー/チームの両タイトルを獲得。スーパーGT300クラスで活躍するビルドハイムがELMS王者に輝いた。なお3位表彰台は、AFレーシングの21号車BR01・ニッサンが獲得している。
LM-GTEクラスでは、このレースで4輪レース活動から撤退することを発表しているマルクVDSの52号車BMW Z4 GTEが、アンディ・プリオールの好走もあって優勝。ただ、タイトルは5位に入ったフォーミュラ・レーシングが獲得している。GTCクラスでは、AFコルセの63号車フェラーリ458イタリアGT3が優勝し、2位に入ったTDSレーシングの59号車BMW Z4 GT3がタイトルを獲得している。
またLMP3クラスでは、チームLNTの2号車ジネッタ・ニッサンが今季初勝利。ただ、タイトルは前戦を終えた時点で同チームの3号車が確定させている。