今週末に迫ったF1日本グランプリ。鈴鹿で戦うF1ドライバーたちの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されている大人気コーナー『質問があるなら直に訊け!』から抜粋。F1ドライバーの素顔を紹介しよう。第14回目は、レッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルだ。
19歳の若さでデビューしたベッテルは、最年少優勝、最年少ポールなどの記録を打ち立ててきた、未来のチャンピオン候補。今季最強マシンを得て、タイトルを賭けて戦っているものの、クラッシュやトラブルが多く、チームメイトのマーク・ウエーバーの後塵を拝し、現在ランキング4位。しかし天性の速さを持つだけに、残り4戦での巻き返しは十分に可能だろう。23歳になった今もF1イチの愛されキャラは変わらず。毎年自分のマシンに女性の名前をつけているが、実際のガールフレンドはハンナという名前で、ベッテルとお似合いのキュートな女の子。
雨に強いのには特別な理由があるのですか?
セバスチャン・ベッテル(SV):理由は分からないけど、昔から雨の中を走るのは得意だった。カートをやっていた子供時代、レインタイヤは高くてそう簡単には使わせてもらえなかったんだ。だから、よく路面が濡れている時にドライタイヤで走って感覚を掴む練習をした。雨天でいざレインタイヤを履くと、グリップは格段に上がるし断然速く走れる。そんな経験の積み重ねが雨に強い理由かもね。それに僕らのマシンは、ウェットの方が力を発揮するような気がするんだ。CMの謳い文句どおり“翼を与える”って感じで、雨の中でもカッ飛ぶことができるのさ。
ドライバーの中で一番面白い人は誰でしょう?
SV:ドライバーの中で笑えるのはルーベンス。ドライバーズミーティングで、彼が遠隔操作付きのブーブークッションを持ってきた時のことなんて、絶対に忘れられないよ。誰かにそれを仕掛けてボタンを押すと、リアルな音が部屋中に響き渡るんだ。いつもそんな悪ふざけばっかりしているんだから。
ミハエル・シューマッハーがあなたに与えた最も貴重なアドバイスとは?
SV:“自分のやり方を貫け。自分らしさを失わず、他の誰かのようになりたいなどと考えるな”ってこと。最終的には、自分のスタイルを築き上げなきゃいけないんだ。ミハエルに限らず、セナやラウダ、それにクラークなど、過去の偉大なドライバーから学ぶことは沢山あるけど、僕はどうしたって同じ人間になれるわけじゃない。結局は自分のやり方を見出さなきゃいけないのさ。
2007年日本GPで、セーフティカー先導中にウェーバーにぶつけてしまった時はどんな気分でしたか?
SV:サイアク! 心底ガックリきたよ。F1でまだ数レースしか走っていない僕が、表彰台を狙える絶好のチャンスだったのに。もし、あのままいっていたら、レッドブルとトロロッソが揃って表彰台に上がれたかもしれないんだ。それに、とにかくマークに対して申し訳ないという気持ちで一杯だった。彼には何の落ち度もないのに、僕のミスのせいで何もかも台無しにしてしまったからね。
自分のマシンに名前をつけるようになったのは、いつからですか?
SV:アハハ、結構適当につけているんだけどね。ある時ふとマシンに名前をつけてあげようって思い立ったんだ。今では憶えていないのもある。2008年のはジュリア。女の子の名前じゃなきゃダメなんだ。響きが良くて、勝ち気で芯の強そうな名前がいい。だってレーシングカーは戦うためのクルマで、日曜の午後に優雅にドライブするためのものじゃない。鞭でビシビシ叩いて、悲鳴を上げるまで責め立てなきゃならないこともあるからさ。
“ケイト”と名付けたマシンと、その妹の“ダーティシスター”がありますね。どちらがお気に入りですか?
SV:2009年は4回勝ったけど、そのうち1回が品行方正なケイトで、残りの3回は身持ちの悪い妹の方だったから、“ダーティシスター”の方が僕は好きかな。昔から悪女は魅力的って言うじゃないか。
F1ドライバーで一番きれいな彼女がいるのは誰ですか?
SV:僕にも彼女がいるから、当然僕って言わなきゃいけないよね! これは好みの問題じゃないかな? 僕は彼女が大好きだよ。
このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2010年1月情報号をご覧ください。