いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。今週末鈴鹿を訪れるF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されている大人気コーナー『質問があるなら直に訊け!』から抜粋。F1ドライバーの素顔を紹介しよう。第13回目は、レッドブル・レーシングのマーク・ウエーバーだ。
34歳、F1キャリア9年目にして、チャンピオン獲得の最大のチャンスを手にしている。昔から一発の速さに関しては評価が高く、若き天才セバスチャン・ベッテルを相手にしても負けていない。15戦中ノーポイントは1戦だけという安定感もあり、ランキング首位に立つ。今季はクラッシュがあっても生き残ることが多く、熾烈なタイトル争いの中で、今年の強運は大きな味方になるはずだ。
あなたはF1ドライバーとしてはベテランですが、(セバスチャン・ベッテルがレッドブルに加入してきた)昨年チームメイトのベッテルから学んだことはありますか?
マーク・ウエーバー(MW):私くらい長くやっていると、最高のドライバーと戦わなきゃつまらないと思うようになる。正直に言うけど、私が彼と同じ年頃には、あんなに成熟した技術は持ち合わせていなかった。彼はF1に上がるまで徹底的に基礎的な訓練を叩き込まれてきたけど、私はそうじゃないからね。情熱的な若者を見ているのは刺激になる。私が情熱を失ってしまったということじゃないよ。長年抱き続けていた熱い想いが昨年は一気に蘇った感じがしたんだ。「よし、ここが勝負どころだ」と思い、セバスチャンと切磋琢磨して戦い抜いた。彼の存在が私を奮い立たせてくれた。そんな時にいいマシンと出会えたこともタイミングが良かったね。
脚を骨折した時は、最初に何を考えましたか?
MW:事故った瞬間、すぐに骨盤、背骨、それから頭をやられていないかを心配した。その辺さえ大丈夫だったら、あとはどうってことないからね。事故の後すぐ、イギリスに残っていたアン(ウェーバーのパートナー)に状況を説明し、(チーム代表の)クリスチャン(・ホーナー)と話をするよう伝えておいたんだ。私の代わりを探すような馬鹿な真似は、絶対にしてほしくなかったからね。一部でそういう動きがあったことは間違いない。だけど、クリスチャンやディートリッヒ・マテシッツ(レッドブル・オーナー)は素晴らしいリーダーで、常に正しい判断を下してくれる。彼らは精神的に大きな支えになってくれたよ。
もしFIA会長になったら、ルールをどう変えますか?
MW:細かいことは色々あるけど、もう少しファンに分かりやすいシンプルなシステムを構築する努力をするだろうね。F1人気が急上昇していた頃だって、やはりルールは複雑だった。観る人のためには分かりやすい方がいいに決まっているけど、最高峰のモータースポーツである限り、どうしてもルールは複雑になってしまう。だけど、もう用を成さなくなった規則が山ほどあるのもまた事実だ。KERSもそう。あれは人騒がせだったな。
デイビッド・クルサードは、レースではいつも勝負パンツを履いていたそうですが、あなた方にも何かゲン担ぎはありますか?
MW:ない。コクピットに乗り込む時はいつも左側からだが、縁起がどうのというわけじゃない。これはゴーカート時代からのクセなんだ。カートのエンジンに体が触れたら大火傷するからね。シングルシーターになっても、ずっとそのクセが抜けなかった。他にも、これといってないなァ。
このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2010年4月情報号をご覧ください。