3月27日に開幕戦アブダビを控えたFIA GT1世界選手権は21日、9チーム17台34名のエントリーリストを発表した。
FIA GT1が世界選手権に格上げされた2010年は、その高額な参戦費用に多くのチームが資金繰りに苦しんでいた。今季も規定のエントリー数がなかなか集まらず、ギリギリの3月中旬までに2度も締め切りが延長されていた。
発表されたエントリーリストに記載されている中では、新規参入のフランスのDKRエンジニアリングは、2台のコルベットZ06で参戦することを予定していたが、現在のところ1台分のドライバーしか集まってはいない。昨年マセラティで優勝したヴィタフォン・レーシングもやはりエントリーがなかった。ヴィタフォン以外にも、今季はマセラティが1台も参戦しないチームオーナーでドライバーを務めるミハエル・バルテルスは、ヴィタフォンチームの今季の活動はフェラーリ458でFIA GT3に参戦することになると表明している。
今季の大きな見どころとしては、スモーパワーから参戦するリカルド・ゾンタとエンリケ・ベルノルディの元F1ドライバーコンビの活躍だろう。このふたりがニッサンGT-Rをどう操るのか、興味がそそられるところだ。
昨年もGT-Rで参戦していたミハエル・クルムとピーター・ダンブレック、さらにランボルギーニ ・ムルシェラゴをドライブするドミニク・シュワガーなど、日本でもおなじみの3名のドライバーは、昨年と同じマシンで今季も参戦する。残念ながら荒聖治は国内復帰が決定したこともあり、日本人選手の名前はない。
ヤス・マリーナでの開幕戦直前には、バランス・オブ・パフォーマンステストも実施される。昨年はそのテストドライバーをハインツ-ハラルド・フレンツェンが行い、ひと悶着あっただけに今回は誰がその役割を担うのか。そして性能調整の度合いはどうなるのか、そちらの動向も気になるところだ。
