今季、FIA-GT3規定の車両を使って争われているFIA-GT1世界選手権。ここ数戦は15台のエントリーに留まっており、やや寂しいレース展開になっているが、シーズン後半のヨーロッパラウンドでは、FIA-GT3ヨーロッパ選手権と混走させるプランがあるようだ。
これは英AUTOSPORT誌がFIA-GT1世界選手権/FIA-GT3ヨーロッパ選手権を統括するSROのステファン・ラテルのコメントとともに明らかにしたもので、15台が参戦しているGT1世界選手権と、10台前後の出場に留まっているFIA-GT3ヨーロッパ選手権の混走とし、GT1世界選手権のシーズン後半に開催される、ヨーロッパでのレースで実施しようというもの。
今季のFIA-GT1世界選手権はシーズン中盤で中国でのレースが予定されていたもののキャンセルとなり、9月にはモスクワでのレースが、そして最終戦としてインドのブッダ・サーキットでのレースが予定されていた。一方のGT3ヨーロッパ選手権は、9月のモスクワまでレースが開催される予定がない。
両選手権とも同じFIA-GT3規定の車両を使うため、このアイデアはシーズンオフにもラテルにより提起されたものの、その際にはFIAの認可が下りなかったという。ラテルは現段階では「すべてのチームの承諾は得ているし、FIAにも計画を伝えている」という。
このアイデアについてはチームも歓迎の意向を示しており、メルセデスベンツSLS AMG GT3を走らせるオールインクルーシブ・ミュニッヒの代表、マルク・バッセンは「ステファンのアイデアはグリッドを埋めるためにいいと思う」と語る。一方で、ランボルギーニ・ガイヤルドを走らせるライター・エンジニアリング代表のハンス・ライターは「我々はもしそうなったとしても、ブランパン耐久シリーズのようなアマチュア選手権ではなく、プロフェッショナルな選手権のレベルをキープしなければならない」としている。
今季のFIA-GT1世界選手権は1チーム2台での参戦がとなっており、もし仮に、FIA-GT3ヨーロッパ選手権との混走が実現した場合、余力があるチームはGT3ヨーロッパ選手権の登録で3台目のエントリーも可能になる。多くの台数を集めているブランパン耐久シリーズや、ドイツのADAC GTマスターズとは異なり台数不足にあえぐFIA-GT1/GT3。今後の展開に注目したいところだ。
