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ル・マン/WECニュース

投稿日: 2011.06.27 00:00
更新日: 2018.02.16 03:14

LFA、トラブル克服し完走「車を鍛え人を鍛える」を実践


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GAZOO Racing、ニュル24時間レースで2台のLEXUS LFAが完走
– 厳しいトラブルをチーム全体で克服し、2台完走を果たす –

 6月23日(木)から26日(日)までニュルブルクリンクサーキット(ドイツ、ラインラント・プファルツ州)で開催された第39回ニュルブルクリンク24時間耐久レース*に、GAZOO Racingから2台のLEXUS LFAが出場、200台近い車両が、全長25kmの山岳コースで24時間に渡って速さと耐久性を競い合う厳しいレースで、見事2台揃っての完走を果たした。
 * 正式名称:39th ADAC Zurich 24h Race 2011

 25日(土)はレース前まで降っていた小雨で路面はウェット。決勝レーススタート時には雨は止んでいたが、2台のLEXUS LFAは共にレインタイヤを選択し、現地時間午後4時に、24時間の長い戦いへのスタートを切った。

 予選でクラス2番手につけた飯田章/石浦宏明/大嶋和也組の88号車は飯田、クラス3番手で続いた木下隆之/脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組の87号車は脇阪がそれぞれスタートを担当。共に途中でスリックへとタイヤを交換し、順調なペースで総合30位以内、クラス2位-3位での走行を続けた。

 2時間ほどが過ぎて、最初のドライバー交代を行い、88号車は石浦、87号車はロッテラーがドライブ。しかし、ピットアウトして30分ほど経ったところで、87号車はトラブルに見舞われピットイン。エンジン交換という大作業を行うこととなり、ガレージでの長い修復作業を余儀なくされてしまった。

 一方88号車は、遅い車両との接触でバンパーに若干のダメージを負ったものの、順調に走行を続け、大嶋へとバトンタッチ。ナイトセッションを迎えた。

 大嶋も着実な走りで8時間経過時点では総合18位までポジションアップ。しかし、88号車はあと1周でピットインというタイミングで、イエローフラッグが振られていた区間で減速した際に後続車両に追突され、車両後部にダメージを負ってしまった。

 このダメージを修復するために、ピットガレージでのメカニックによる懸命な修復が行われ、午前2時43分、3時間弱の作業を終えて88号車は再び飯田のドライブでコースへ復帰。この時点で88号車は総合136位、クラス7位へと後退したが、まだ半分以上残るレースでの追い上げを図ることとなった。

 レースは折り返しを過ぎ、長かった夜が開け始めた朝5時20分、ついに作業を終えた87号車がロッテラーのドライブでコースへ復帰。その時点で総合190位まで順位は落としたが、ひとつでも上位のフィニッシュ、そして2台揃っての完走を目指し、再びハイペースでの周回を開始した。

 早朝はぱらぱらとコースによっては雨も見えていたニュルブルクリンクだったが、日が昇るにつれ雨は止み、天候は回復。長い夜を越えたチームクルーは、ここまで10時間以上の戦いを経ながらも、ルーティーンのピットでは給油の作業中に、タイヤの交換のみならずブレーキパッドとローターの交換まで終えるという素晴らしい働きを見せ、ドライバーの頑張りに応えた。

 トラブルで順位を大きく落としながらも、ライバルよりも速いペースで追い上げを図るLEXUS LFAの活躍は現地でも注目を集め、特に脇阪がドライブした87号車による圧倒的なオーバーテイクは、コース脇を埋め尽くすファンの大声援を受けていた。

 そして後半戦、ピットでの修復から素晴らしい追い上げを見せた2台のLEXUS LFAは、88号車が総合42位/クラス3位、87号車が総合151位/クラス8位(共に暫定)までポジションを上げて見事完走。昨年の成績を更新するには至らなかったものの、2台揃っての完走を成し遂げた。

 チームは今回のニュルブルクリンク24時間レース参戦プロジェクトを通じ、人を鍛え、クルマを鍛えるという目的を達成し、今後に繋がる貴重な経験を重ねると共に、2012年から生産・デリバリーを予定しているLEXUS LFA ニュルブルクリンクパッケージの最終確認についても大きな収穫を得たレースとなった。

GAZOO Racing チーム監督兼88号車 ドライバー 飯田章:
「87号車はエンジントラブル、88号車は追突によるリアのダメージ、こうした困難をチーム全員の心を一つにした努力で乗り切り、2台揃ってゴールを切ることができ、安堵の気持ちで一杯だ。GAZOO Racingのニュル24時間レース参戦の目的である“車を鍛え、人を鍛える"を真に実践したレースであった。最も、レースの結果については、大変悔しさが残る。昨年より長い時間を走ることは叶わなかった。この悔しさをまたバネにして、GAZOO Racingの活動をさらに進めていきたい」

GAZOO Racing 88号車 ドライバー 石浦宏明:
「GAZOO Racingチームの一員として初めて参加し、悔しい結果に終わったが、簡単にいかないのがニュル24時間レースだと思う。自分にとって24時間レースは初の経験で、ニュルをとても楽しんだ。是非ともまたチャレンジしたい」

GAZOO Racing 88号車 ドライバー 大嶋和也:
「2年目の参戦で、自分の目標としては、昨年を上回る結果を目指したが、成し遂げられず悔しい。しかし、メカニックの皆さんと共に、素晴らしい経験を今年もさせて貰った。GAZOO Racingの一員としてさらに努力を重ねていきたい」

GAZOO Racing 87号車 ドライバー 木下隆之:
「レースは勝ち負けだけじゃないとわかっていても、勝てなかったことは悔しい。しかし、クルマのポテンシャルも高く、スタッフにも恵まれた。チーム全員に感謝している」

GAZOO Racing 87号車 ドライバー 脇阪寿一:
「成瀬さんが残してくれたことの継承をテーマに、自分にとって2回目となるニュルに乗り込んだ。やはりニュル24時間レースは甘いものではないと改めて思い知らされた。これも成瀬さんから『もう少しがんばれ、努力を続けろ』との天国からのメッセージだと思う」

GAZOO Racing 87号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:
「まず、最後まで諦めず、車を修復してくれたメカニックに感謝したい。レースに復帰させてくれた彼らのネバーギブアップのスピリットを誇りに思う。今日の結果は正直なところ残念だが、これもレースであり、チームとして貴重な経験になった」


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