レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WECニュース

投稿日: 2010.09.15 00:00
更新日: 2018.02.15 22:15

LMSでポルシェがGT2クラスのタイトル防衛を果たす


ル・マン・シリーズ第5戦、シルバーストーン(イギリス)

LMS:ポルシェが3つのチャンピオンシップタイトルを全て獲得

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:ミヒャエル・マハト)のワークスドライバー、マルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組は2010年ル・マン・シリーズ(LMS)の最終戦、シルバーストーンにて911 GT3 RSRをドライブして5位に入り、GT2クラスのドライバーズタイトル防衛に成功いたしました。さらにクリスティアン・リード(ドイツ)率いるドイツのフェルベマイヤーチームは、圧倒的な成績で初めてチームタイトルを獲得、そして6つの名門メーカーで争われた熾烈を極めたGT2カテゴリーで、ポルシェは名誉あるマニュファクチュアラーズタイトルに輝きGT2クラスにおける3つのチャンピオンシップタイトル全てを獲得いたしました。この1,000kmにおよぶ最終戦ではポルシェ ジュニアのマルコ・ホルツァー(ドイツ)とリチャード・ウエストブルック(イギリス)が栄えある2位に輝き、ポルシェはこの日のレースを完璧な形で締めくくりました。

信頼性の高いテクノロジー、ミスのないドライビング、そして完璧なチームワーク。この3つの要因により、LMSの3つのチャンピオンシップタイトルを獲得したことでポルシェが世界最高のGTカーであることが改めて証明されました。これらのタイトル獲得は、すでにドバイ、ル・マン、スパ・フランコルシャンで24時間レースを制覇した今年のサクセスストーリーの延長線上にあります。またアメリカン・ル・マン・シリーズでも911 GT3 RSRがクラスのトップに立っています。

ル・マン・シリーズで最も成功を収め、4度のチャンピオンシップタイトルに輝いたドライバー、マルク・リーブは次のように熱く語っています。「チャンピオンシップタイトルを防衛したことはすばらしいことです。そしてフェルベマイヤーチームがチームタイトルも獲得したことに特に感激しています。ピットストップや私達の戦略とともに、クルーの完璧なチームワークが私達の成功の鍵のひとつとなったからです。すべての歯車が噛み合った感じです」。また、2009年に続き2度目のチャンピオンシップタイトルを手にしたリヒャルト・リーツも喜びを隠せません。「何という一年だったでしょう」と、このオーストリア人は総括します。「GT2クラスの戦いは去年よりも激しさを増しました。特にフェラーリは信じられないほど手ごわい相手でした。どのレースでも最初から最後まで、厳しい戦いを強いられました。予選では最速タイムを出すことはほとんどありませんでしたが、911の信頼性の高いテクノロジーと優れたチームワークのおかげで私達は3勝を挙げ、全てのタイトルをポルシェにもたらしてシーズンを終えることができました。このことは本当に誇りに思っています」。

リーブ/リーツ組はグリッド3番手から最終戦に臨み、タイトル獲得に向けてリスクを犯さないよう、45台によるレースの中で前半は抑えた走りをしていました。ドライバー部門における唯一のライバルだった元F1レーサー、ジャン・アレジ/ジャンカルロ・フィジケラ組のフェラーリがトラブルに見舞われてリタイアした後は、ポルシェチームにとって楽な展開となりました。

プロスピード・コンペティションのピットも祝賀ムードに包まれました。昨年、リチャード・ウエストブルックとともにFIA GTチャンピオンシップを制したこのベルギーのチームは、今シーズンはル・マン・シリーズに挑みました。ウエストブルックは、「予想以上に調整が難航しました。チームとドライバーにとって、全てが新しい体験でした。私達はレースを重ねるたびに調子を上げてきましたが、この最終戦でやっと成果を出すことができました」と語りました。5番手からレースに臨んだウエストブルックとチームメイトの22才のマルコ・ホルツァーは徐々に順位を上げました。この若いポルシェのドライバーは、フィニッシュ後にほっと息をつきながら次のように述べています。「信じられません。私はとてもナーバスになっていましたが、集中力は途切れませんでした。このようなすばらしい結果でシーズンを終えられたことは、私達のチームにとって非常に大きなことです。私にとってル・マン・シリーズで最も難しかったのは、同カテゴリーのライバルたちと激しいポジション争いをしながら、より速いスポーツプロトタイプに抜かれることに慣れることでした」。

フランスのIMSAパフォーマンス・マットミュートチームにとって、6位という結果は運不運の入り混じったシーズンらしい結果でした。ポルシェのワークスドライバーのパトリック・ピレと同じフランス人のレイモン・ナラックは、ハンガリーで行われた前回のレースで3位に食い込んだあと、再び表彰台を射程圏内に収めていましたが、ナラックはインフルエンザの症状に悩まされていました。そのため、フランスのルーアンでポルシェのディーラーを営むアマチュアレーサーのナラックは、これまでのレースで見せた力強いパフォーマンスを発揮することはできませんでした。「パトリックが大部分の仕事をこなさなければなりませんでした」とナラックは話しています。ピレは、「実際、苦しいレースでした。特にプロトタイプのドライバーが非常にアグレッシブだったので、とても苦戦しました。それでも、この特別なサーキットでライバルを相手に戦えるというのは、大きな喜びでした。そして私達はピットストップでは最短でピットアウトしていたわけですから、誇りを持っていいと思います」と話しています。

フェルベマイヤーのセカンドチームは10位に入り、このル・マン・シリーズ最終戦でポルシェの素晴らしいシーズンを締めくくりましたが、完全に満足していたわけではありませんでした。マルティン・ラジンガーは「残念ながら今シーズンで最も良くない成績でした」と話しています。今シーズン、オーストリア人のラジンガーはチームオーナーのクリスティアン・リードと組み、最終戦ではポルシェのワークスドライバー、ロマン・デュマ(フランス)のアシストを受けました。フェルベマイヤーの2号車が脚光を浴びたのは、ル・カストレで開催された開幕戦で2位を獲得したときでした。しかしシルバーストーン終了時点では、さらに大きな喜びが待っていました。リードとラジンガーは、ともに戦ったル・マン・シリーズの最初のシーズンに、GT2ドライバー部門で3位に輝いたからです。

ル・マン・シリーズ第5戦(最終戦)、シルバーストーンの結果

GT2クラス結果
1. ブルーニ/メロ組(イタリア/ブラジル)、フェラーリF430 GT、147周
2. ウエストブルック/ホルツァー組(イギリス/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 RSR、147周
3. ベル/ターナー組(イギリス/イギリス)、アストンマーチンV8ヴァンテージ、147周
4. ミューレン/カーカルディ組(イギリス/イギリス)、フェラーリF430 GT、146周
5. リーブ/リーツ組(ドイツ/オーストリア)、ポルシェ911 GT3 RSR、146周
6. ピレ/ナラック組(フランス/フランス)、ポルシェ911 GT3 RSR、145周
7. ダンブレック/コロネル組(イギリス/オランダ)、スパイカーC8ラヴィオレットGT2-R、145周
8. ミュラー/ヴェルナー組(ドイツ/ドイツ)、BMW M3、145周
10. リード/ラジンガー/デュマ組(ドイツ/オーストリア/フランス)、ポルシェ911 GT3 RSR、145周

GT2クラスポイント順位
ドライバー部門
1. マルク・リーブ/リヒャルト・リーツ組、ポルシェ、87ポイント
2. ジャン・アレジ/ジャンカルロ・フィジケラ/トニ・ヴィランダー組、フェラーリ、63ポイント
3. マルティン・ラジンガー/クリスティアン・リード組、ポルシェ、55ポイント
4. ジャンマリア・ブルーニ/ジェイミー・メロ組、フェラーリ、52ポイント
5. パトリック・ピレ/レイモン・ナラック組、ポルシェ、47ポイント
6. ルイス・ペレス・コンパンク/マティアス・ルッソ組、フェラーリ、39ポイント

マニュファクチュアラー部門
1. ポルシェ、159ポイント
2. フェラーリ、158ポイント
3. スパイカー、38ポイント
4. BMW、37ポイント
5. アストンマーチン、30ポイント


関連のニュース